2019年12月17日火曜日

老婆、ローヴァーに乗る

先日見つけたきれいな自転車はイギリスのローヴァーの特許の使用許可を得て作られたものだそうで、デザインに惚れ込んでしまった。
深みのある臙脂色の塗装がいい、サドルがしっかりした革で、細身で鋲打ちがしてあってエンブレムが施されてなにもかも格好いい。
いわゆるママチャリなのに、前に付けた籠も色といい材質といいなんとも素敵。
6段変速機付き、山坂走るわけではないからこれで十分。
でも自転車はもうすでに二台持っている。
よほどの自転車好きと思われるかもしれないけれど、これも私のおっちょこちょいゆえのことなので。

ある朝、乗ろうと思ったらいつもの置き場に自転車がない!
以前盗られたことがあったから、今回もそうだと思った。
その後、新しい自転車が来た。
するとひと月ほどしてはがきが届いて、保管所に保管されているという。
さっさと諦めて盗難届も出していなかったので、取りに行ったら保管料をとられてしまった。
盗難届けを出してあれば保管料は払わなくてもいいらしい。

料金を支払って自転車の置き場に行ったら、ちゃんと鍵がかかっている。
しばらくウンウン唸って考えた。
鍵がかかっているということは、もしかして自分でどこかに置き忘れたのかもしれない。
なけなしの脳みそをフル回転。
おぼろげな記憶によれば・・・果物屋さんで買い物して、重たい果物をぶら下げて帰ってきたような・・・他の店をまわっているうちにわすれたか・・・
今となってはどうでもいい。

それで自転車が2台になった。
1台は物置に入れて置いたけれど、鍵をなくしてチェーンキーを使っていたらある日鍵の解除ができなくなった。
番号を忘れてトホホ。
いつもわかりやすい番号にしておくのに、何かの拍子で変わってしまったらしく、解除するにはたくさんの番号を試さないといけない。
結局は解けたけれど、なんだか面倒になってしまったので、もっぱら新しい方しか使わない。
けれど、その自転車はタイヤの空気がすぐに抜ける。
いつも自分で空気は入れないで自転車屋さんで入れてもらう。
その店で買ったのでもないのに、親切に入れてくれるから申し訳ない。

それで今回一目惚れしたのがローヴァー。
先日ホームコンサートに伺ったお宅の近所で、コンサート後に駅に向かう道で見つけた。
しばらく眺めてから店内に入った。
見せてもらうと、実は今配送が出来ないのでおもちかえりとなります、と言われた。
その分値引きがされている由。
見た目から言えばとてもお買い得。
性能は・・・・乗れればいい。
とにかく見た目が可愛いので、自分の車に積めればというわけで寸歩を測ってもらった。

自宅に帰って車の後部座席を全部フラットにしたら、なんとか入りそう。
真っ黄色なパパゲーノ・ノートに積んで帰宅した。
試乗したらなんてこった、とにかく乗りにくい。
サドルがあまりに硬くて細いのでお尻がすごーく痛い。
ハンドルは調整してもらったのに、サドルの高さを合わせてもらうのを忘れた。
サドルがやけに低いので、アメリカン・スタイルのバイクのハンドルみたいに、手が上に上がりそう。
近所を一周したらすごく疲れた。

それでもほれぼれと眺めて悦に入っている。
どうして塗装がこんなに違うのかといつも思うのは、国産車とヨーロッパ車。
私はプジョーの色が好き。
同じ色でも国産車のは薄っぺらくプジョーは深みがある。
私だけだと思っていたら、私の姪が同じ趣味なのでびっくりした。
なにもプジョーに限ったことではなく、先日ボルボの薄緑のえも言われぬ色にすっかり魅了された。
国産車にも同じような色があるのに、似て非なるものに見える。
色彩の感覚が根本的に違うのだろうか。

サドルの調整だけに買った店に行くのは面倒。
車に積み込むのも力がいる。
それでいつも空気を入れてくれる店に行こうと思うけれど、買いもしないで空気だけ入れてその上調整までしてもらうのはいくらなんでも虫が良すぎる。
けれどちょっとしたことならただでやってくれそうな人の良さそうな店の人。
やはり買ったところまでいこうかどうしようか。
思案中。

無駄な買い物したから、そのうち必要となる電動車いすは少しランクを下げないといけないかもしれない。
車椅子に乗るようなことになれば、その先お金は持っていてもしかたない。
全財産を電動車いすにつぎ込んで一文無しで終わるのも悪くない。
金ピカの電飾をつけて大きなフォーンをとりつける。
パオパオ~とフォーンを鳴らしながら全速力で疾走するのが、私の最後の夢かな。
なんだか貧相な夢だけど。
暴走族の老婆バージョン。
自転車一台でこんなに面白がる老婆も珍しいと、自分で思う。






















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