2019年12月16日月曜日

満腹

考えてみたらこのところ、毎日食べ歩いている。
銀座で懐石料理、近所のイタリアン、葬儀の精進料理と多彩なこと。
レッスンに来た生徒と昼ごはん食べようとか、様々な理由で食べ歩く。
一人で食事はさびしい。
猫と二人では味気ない。
先日近所のイタリアンに、ちょうど来た女性を誘って行ったら、ウエイターがやけに馴れ馴れしい。
やたら話しかけてくる。

顔見知りではあるけれどそう親しく話をすることもないのにと訝っていたら、はは~ん、どうやら私の連れがお気に召したようだ。
僕なんかもう女の子は相手にしてくれないからなんとかかんとか言っているから、まだ大丈夫よと慰めてあげたけど。
きれいなうりざね顔の背の高い子は一見大人しげだけれど、人前に立つと急に異彩を放つタイプ。
高校生の時、学校の弦楽アンサンブルで指揮をするから来てくださいと言うから見に行った。
普段地味風だけれど、ステージに現れた彼女は宝塚の男役みたいで華やかだった。
むしろ普段顔立ちがはっきりしたその子の友達のほうが、地味に見えてびっくりした。

昔むかしあるところに・・・越路吹雪さんというシャンソン歌手がいた。
その人のバックで伴奏したときのこと。
練習場に現れた彼女はボサボサとした地味なおばさん。
顔色が悪くて、これがあの?とびっくりした。
本番でステージの袖に居るときまでそうだった。
しかし!ステージに出るその瞬間、急に光り輝いて、それはもう忘れられない光景だった。
いままで隠し持っていたオーラが一斉に放出されたような。
スターというのはこういうものかと思った。

最近義兄が亡くなって日曜日はお葬式。
親族が集まっての会食は、義兄に悪いけれど久し振りに会う人たちと話に花が咲く。
関西に住んでいる義妹とは何年ぶりに会うかしら。
あの小さかった義兄の子どもたちがその又子供をつれてきて、ひ孫まで来て、元気に葬儀場で走っている。
椅子から落ちて頭ぶつけて大泣きして、ああ、いいなあ。
私に子供がいたら、今頃こんな風に孫がいて・・なんて思う。
自分一人で生きるのは本当にやりたいことがやれて幸せだけれど、ふっつりとここで切れてしまうのはなんとも味気ない。
結局人はないものねだり。
どうしても人生に満足できないようになっているらしい。

数人の友人と集まっては食べ歩いているけれど、今回一人体調が悪い人がいた。
たった一人欠席だけですごく寂しくなる。
歳を取るこういうことが多くなって寂しくなるわねえ、なんぞと言いながら、お手拭きが出てくる頃には陽気に大笑いしている私達。
手の混んだ料理をむしゃむしゃ平らげて、銀座の裏通りにある紅茶専門店でお茶しておしゃべりの第2弾。
別れがたいけれど、それぞれの家に帰っていった。
家族がいないと帰りの時間も気にならないし、仕事が減って手がツルツルになって、今まで自分以外の人のためにどれほど働いていたかと思うと腹立たしい。
やはり一人がいい。

今日は久し振りでひとりランチ。
う~ん、悪くない。
でもおしゃべりしないとあっという間に食事は終わってしまう。
ほんとのところどちらが良いかわからない。
















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