2020年9月18日金曜日

今日出会った3つのしあわせ

 夕方近所の公園まで散歩にでかけた。夕日が茜色に雲を染めて、ああ、もう秋なのだ。

数日前から気になっていたのは、あるお宅の門扉の前に咲き始めた花。両手で包み込めるほどの大きさの白とピンクの花。あまりきれいなのでそっと手で触って通り過ぎようとしたら後ろから声をかけられた。中年の男性がニコニコと「きれいでしょう?」と言う。この花は私が育てたんですよ。種が出来たら持っていって育ててください、と言う。まだ種は青いから乾いてきたらいただきますと約束してきた。その人は自分が育てた花が人の目に止まったのがよほど嬉しかったらしく、満面の笑顔が弾けていた。

花の名前は後で調べてみよう。(投稿した日にここに書き込んだ名前で検索したら、とんでもなく卑猥なサイトに誘導されました。どうぞ忘れてください)

もう薄暗くなってきた公園に入ると、見覚えのある人と女性が話をしている。「おとうさん元気?」と女性。おとうさんとはこの人のこと。「元気だよ」と言う人を見ると、いつもこの公園のベンチに長い時間座っているホームレスさんだった。ベンチのそばに空き缶やダンボールの獲物をビニール袋に入れて頭をたれてじっとしている。ああ、この人にもこうやって話ができる人がいるんだと思ったらしみじみと嬉しくなった。

そして今日一番うれしかったのは、大阪に転勤した生徒が来たこと。コロナ感染の緊急事態宣言が解除された直後、彼女とレッスンの約束をしていた。けれど、彼女が実家に戻った日、会社の同じフロアで働いている社員の感染が発覚、自宅にも入らず、急遽大阪に帰ってしまった。レッスンも延期となった。今日は無事に久しぶりの再会となった。

大阪は面白いでしょう?と訊くと、いいえ、誰にも会わないし、どこへも行けないからつまらないです。カラオケでヴァイオリン彈いてますと。転勤以前より音が良くなったと思ったら、そういうことなのか。何もすることがなくて練習が出来て、私よりうまくなったら私はでかい面ができなくなってしまうなあ。電話のオペレーターでマスクとアクリル板の仕切りに囲まれて、他の人とは話をしないらしい。せっかく大阪にいるのにたこ焼きばかり食べていたという。大阪ならお好み焼きが美味しいのにねえ。いつかコロナが終わったら一緒に飲みに行こうね。

帰ってきたら、昨日フェイスブックでスッタモンダしたM子さんから知らせが届いていた。今年のイグ・ノーベル賞は京都大学の霊長類研究所の西村剛准教授が音響学賞を受賞したという。ワニにヘリウムガスを吸わせて声の変化を調べるという研究。なんじゃそれ!動物虐待ではないの。日本人はイグ・ノーベル賞を毎年受賞している。クソ真面目が売り物の日本人は案外ユーモアがある。落語なんて世界に類を見ない演芸ではないかな?

M子さんも私もこういうふざけたことが大好きなのだ。2年ほど前、イグノーベル賞の展示会に二人で行ったことがあった。会場に月面歩行の体験ができるコーナーがあったので体験を申し込んだ。特別なハーネスのような器具をつけて空中を散歩するような形になるらしい。ところが彼女は身長は十分なのに体重が軽すぎる、私は体重は十分なのに身長が足りない、ヒョロガリとチビデブのコンビなので。結局ふたりとも残念ながら体験できず、涙を飲んだ。

ワニの記事はこちら。

https://science.srad.jp/story/20/09/18/0222255/

https://www.asahi.com/articles/ASN9K4JTHN9GPLBJ003.html

花の名前はクレオメでした。何度きいても忘れてしまう。貝の幼虫クリオネと混同する。クリオネは天使のように可愛い姿に似合わず獰猛だそうで、この花はどうかな?






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