2020年9月8日火曜日

のら大喜び

 アンサンブルのメンバーは焼き肉パーティーが終わって、近所の農園経営の野菜売り場でお土産の野菜を買って帰っていった。私はもう一晩泊まってから帰るつもりでゆっくりしていたけれど、ふと、今夜のうちに帰ったほうが良さそうだと思った。そうすれば明日一日自宅でゆっくりできる。なにか帰ったほうが良いという本能的な勘?かもしれない。台風の影響がどうなるか心配なので、思い立ったらすぐに荷物を積み込み出発。

まだ20時を少し回った頃なのに施錠して玄関の外灯を消すと一寸先も見えないから、車の室内灯を点灯して僅かな明かりで動く。暗いのは構わないけれど、霧が心配だった。案の定、峠の急カーブ続きの下り坂は霧に包まれて先が見えない。慎重にゆっくりと下る。このへんで、やはり明日早朝出ればよかったと後悔し始めたけれど、なんとか霧を抜ける。高速道路に入った頃には霧はやっと退散してくれた。少し雨模様だけれど、穏やかなドライブとなった。こんな天候なので走る車が少ないのも良かった。たぶん、明日になると台風が置き土産になにか悪さをするに違いない。今日帰って正解と思った。ケージの中の猫も相当疲れたらしくニャンともスンとも言わず寝ている。

こういう勘も長年車の運転で旅をするのになれているからだと思う。高齢者から免許を奪おうという動きの中で、私は免許がないと生きていけない、そんな人もいるのをお忘れなく。

免許をとったばかりのころは相当無茶だったけれど、最近はとにかく慎重に運転している。事故はいままで一度も起こさなかった。もちろん自損事故といっても軽いものだけれど、縁石にタイヤを擦ったり、電信柱に頬擦りをしたりはしょっちゅうやっていたけれど。

夜中に車を駐車場に入れると、矢のように飛んできたのは私のノラ。待っていてくれたのだ。彼女は私の車を覚えていて、車で帰宅するとどこからともなく現れる。もう抱っこができるほど馴れてきたので家に入れようとするけれど、そこから先がうまく行かない。わかっているのだ。外で私に抱っこされるのは安全、だけど、あの玄関入るのは未知の世界、なにが待っているかわからない。キャットシッターをお願いした上の階の人は几帳面だから、ちゃんと餌を与えてくれたようで、ノラはこの前のようにやつれてはいなかったのでホッとした。

ノラ、ノラと言うけれど、もしかしたら半分飼い猫かもしれない・・と思うのは、ノラにしては毛並みがきれい。人懐こい。あまりガツガツしていない。うちに来るのは自分好みの餌が提供されるからであって、自宅に帰れば餌がもらえるとか?まあ、どうでもいい。今の所は、うちのノラ、そのうちに飼い主のもとに帰るかもしれないし、もしかしたら我が家の飼い猫になるかもしれない。

北軽井沢の家ではテレビが見られないので久しぶりにテレビをつけると、列島各地とんでもないことになっていた。台風の通過点ではないところでも風が吹き荒れたり大雨が降ったりしたようだ。森の中で嵐の音を聞きながら停電でもされたら怖い。やはり帰ってきて正解だったかもしれない。さすがに疲れていたようで、お風呂から出てベッドに横になった途端ぐっすり。朝まで眠り、朝食後もすぐに眠り、夕食後もすぐに眠った。

することは眠るのみ。私は眠り猫。一緒に眠りこけていた猫は今朝はスッキリ。起きている間中猫じゃらしで遊べとうるさい。どうやらこの猫じゃらしが引き金となって、彼女は世の中に遊びというものがあることを知ってしまったようだ。浅間牧場のススキをお土産にしたときには、猫じゃらしどころでない興奮状態だった。ニャン生の後半で覚えた遊びは質が悪い。老いらくの恋ならぬ老いらくの遊び、このさき私は彼女の家政婦兼パーソナルトレーナーとしてこき使われるのか。

猫なら何でも許す。私は前世、エジプトで人間に初めて飼われた猫のお世話係の子孫かもしれないなんて、ネコ好きは皆そう思っているらしく、追分の友人なんぞは猫の食事の世話があるからと言って、目の前で美味しそうな匂いがしていてもさっさと帰るくらいなのだから。猫の魔力恐るべし!














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