2012年8月13日月曜日

松原湖二日目

リハーサルを本番会場であるヤルヴィホールでやっていいと言う嬉しい小海町の計らいで、朝から会場に出かけた。主要道路から会場までのほんの少しの距離ではあるけれど、農道のように車一台がやっとという狭い道を登る。明日の本番を聴きに私の友人や生徒がかなり来てくれるのに、こんな道をどうやってくるのだろうか。少し心配していると、生徒からメールが来た。小海町が電車に合わせて車を出してくれるらしい。少し安心した。ヤルヴィホールは山間の小さな湖のほとりにぽつんと立っている。この湖は松原湖ではないという。中は木をふんだんに使った、こじんまりとしてはいるけれどステキな空間。そこに椅子を並べると100人くらいは入れる小ホール。響きがとても良くて、館野泉さんが毎年来て演奏する。館野さんはフィンランドの国民的ピアニスト。日本人だから国民的と言うのはおかしいかもしれないけれど、フィンランドで圧倒的な人気と尊敬を受けていたのが、あるとき病気で右手がマヒすると言う悲劇が起こった。それでも彼は残された左手だけで、演奏活動を続けている。音を出してみると本当に気持ちがいい。客席が空の時はすこし響き過ぎるようだが、客席が満杯になるとちょうど良くなると思う。だから本番の時には沢山聴衆がきてほしい。昨日響きすぎてよく聞こえなかった「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も今日はお互いに聴きやすく、テンポも落ち着いてきた。これならいける。でも、この超有名な曲は実はとても演奏が難しい。私が一番緊張する曲でもある。楽しく明るい曲の陰には、大変な緊張が隠れている。今回のプログラムで最初の曲目であり、まだ体がほぐれていないときに弾くのは中々難しい。だからと言ってあとの方で出す曲でもない。大抵は初っ端に弾く。それでも曲が易しいわけではないのがジレンマになる。全部の練習が終わって夕食の後も会場練習をすると言うから、怠け者の私が猛反対。そんなことしたら明日の本番は疲れ果ててしまう。本番に向かって体調を整えないと、いざと言うときの力がでない。私の反対で夜の練習は取りやめとなって康子さんはすこし不満顔。彼女は練習したいらしい。でも、力の配分を間違えると本番で疲れ果てて弾けなくなってしまう。それを調整するのも演奏者の役目なのだ。夜はまたコテージの5人で酒盛りをしても、明日の本番に備えて早目に切り上げて眠りについた。

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