2012年8月5日日曜日

がんばれ!(元)国立市長

1999年並木沿いに計画された高層マンションが町の景観を損ねるとして市民が反対、並木と同じ高さにするように条例が定められた。そのために業者がこうむった損害3000万円を市は賠償した。その後市民の税金で払うのは納得できないとする一部住民が、その3000万円を当時の市長だった上原君子さん個人が支払うように裁判を起こしたと言う。国立にはよく行く。一ツ橋通りは並木が美しい。その向こうににょっきりと高層マンションが顔をだすなんて本当にいや。国立は学園都市として落ち着いたたたずまいと、私が学校に通っていた頃からおしゃれなお店が多かった。今でも一部の喫茶店などは健在で町全体の雰囲気はあまり様変わりはしていない。富士見通りにスーパーや飲食店の入っている雑居ビルができた。やや低俗な感じにはなってきたけれど、これが建物の高さ制限でかろうじてこの程度でとどまっているのだと思う。私は原始人だから考え方はいつも後ろ向き。発展や虚栄を求めない。「足るを知る」の精神でいたいものだと常々思っている。日本はバブルがはじけた上に恒常的な不景気で、世界経済のランク付けからも転落の一途。一時期はなんでも一番でないといけないという風潮だったけれど、それがどうした。「ジャパン アズ ナンバーワン」なんて本を書かれて大喜びしていた時期もあった。それでどうなった。今の中国を見ていると申し訳ないけれどあさましいという感じがする。当時は日本だって同じだったのに。世界中を札束持って張り倒していたのに。今の落ち着きが本来の姿だと思っていい。一度高層マンションを許してしまったら、あの町は一変してしまうに違いない。市長個人に賠償を求めるとは、あまりにも汚いやり方だと思う。条例は議会で承認されたもの、条例は違法ではないのになぜ個人がしはらわなければならないのか納得いかない。要するに儲けそこなった業者と、それにつるんでいる役人たちのいやがらせとしか思えない。こんな理不尽はゆるせない。国立のあのさわやかな並木道は私たちのオアシスだった。ローマの遺跡を見て、イタリアは復興が遅れていると言った、情けない日本の議員がいたそうだ。ヨーロッパの落ち着きを今、日本も取り戻してほしい。ランクが下がったからといって、何が恥ずかしいのかよくわからない。

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