2012年8月17日金曜日

日本ならでは

子供の時からひどいウッカリヤだったけれど、年齢を重ねるうちにいよいよ磨きがかかってきた。メガネをかけていながらメガネを探すなんてのは序の口。2.3歩歩けばスッポリ記憶が抜け落ち、いったい何をするつもりだったか少しも思い出せない。よくこのブログに投稿しようとしていてもテーマを忘れるなんてことは日常茶飯事。さて、この数日やったウッカリは、もし日本以外の国だったら、おそらく無事ではなかったと思う。10日ほど前、仕事から帰って来て駅の駐輪場で料金を払った。財布を出して支払いを済ませ、前かごに財布を置いてゲートを出る前にチラッと思ったのは、財布をちゃんとバッグにしまわないとなくすぞと言うことだった。それもゲートを通った途端忘れてしまった。家に着いて自転車を所定の場所においた。そこは自宅車庫の一番端の人通りの多い道に面したところで、自転車は常に人目にさらされている。前かごのバッグを取り出し、家に入って寝てしまった。次の日は暑いから買い置きの食料で食事を済ませ、一切買い物をしなかったし、自転車も使わなかった。そしてまた一夜明けて、今日は買い物に・・・と思ってバッグを開けると財布が無い。さてどこへ置いたかしら。捜しても見当たらない。その時ふと記憶がよみがえってきた。自転車の前かごに財布を置いた時ちらっと考えたことを。思わず真っ青になった。最近カードで買い物をすると大そう気軽になんでも買ってしまう。それでなるべく現金で買うようにすれば、目の前でお金が消えて行くからあまり無駄遣いをしなくなると考えて、月初めにひと月分の生活費をまとめて財布に入れ、その範囲で買い物をしようと考えた。だから結構大枚のお札が入っていたのだった。ちまちまと銀行から下ろしているとやはり使った感じがせずに、思いがけず沢山使ってしまうこともあるので、この方法にした。それ以後その金額の範囲で買い物をするようになった。それは良かったのだけれど、失くした時は大損害。3日も経っているし、人目に付きやすい所だからもうとっくになくなっているに違いない。前かごを覗くと、あった。緑色の古びた財布がひっそりと籠の底にへばりついていた。単に人目が届かなかったのかもしれないが、もし、日本以外だったらおそらく財布は無事ではなかったと思う。かつてボリショイバレー団のツアーに同行していた時、道端のバス停付近でバレエダンサーの荷物がなくなったことがあって、彼女はオーケストラのヴァイオリン奏者が盗ったと言い張ったことがあった。結局その荷物は彼女の思い違いでホテルのロビーで保管されていた。彼女はあらぬ疑いをかけた人に謝ろうともしなかった。みな嫌な気分になったが、お国柄ということであきらめた。そんなことを思い出した。もし日本人だったら、傍にいたと言うだけで人を疑ったりしないでしょう。財布が目に入っても持っていこうとする人は少ないと思う。良い国だなあ、日本って。

2 件のコメント:

  1. いつも楽しくブログを拝読させて頂いております。
    松原湖のコンサートお疲れ様でした。先生のブログから楽しい演奏旅行の様子が目に浮かびます。
    イギリス旅行 楽しんでいらしてください。
    くれぐれも財布はバッグの中に(^^)

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  2. その後お元気ですか。
    いつも読んでくださるとのこと、ありがとうございます。
    来週火曜日に出発します。
    お土産話書きますからまた読んでくださいね。

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