2012年8月3日金曜日

ホルンの「紅白歌合戦」

私の住んでいる地域の区役所では昼休みにコンサートが開かれる。昨日は東京交響楽団のホルン奏者が演奏すると言うので出かけてみた。先日私の英語の先生であるヴァイオリニストのルースさんが珍しくポカをやった。レッスン日を間違えたのだ。私は待ちぼうけをくわされスゴスゴ帰宅。恐縮しまくったルースさんは次のレッスンはどこへでも行くからいつがいいかしら?と言ってきた。たまたまそんなことがあって、区役所コンサートにご主人と来ると言うから、午前中から我が家に来ていただいての出張教授になった。ルースさんのご主人は同じオーケストラのホルン奏者で、わざわざ柏から聴きに来るのだと言う。それで奥さんのルースさんも一緒に来るからということで、お互いに大変好都合なことになった。さて、レッスンも終わり車で5分位のところにある区役所に出かけた。かなり広い会議室用の会場はすでに満員に近い。ピアノが一台、ホルンが2本、司会者の4人で進行していく。曲目は熟年の聴衆に合わせて「夏の紅白歌合戦」と称して歌謡曲やポップスなどの軽い曲ばかり。2人の奏者は赤と白のシャツを着て、一人ずつ交代に演奏する。2人とも上手い!歌謡曲をこんなに美しく聴くのは初めてだった。生き残った曲と言うのはやはりメロディーだけで聴いてもいいものだ。むしろ下手な歌手がいない方がいい。私は主にクラシックを演奏しているけれど、ジャズやポップス、演歌も嫌いではないし、そういう仕事もよくしていた。クラシックだけでは中々お金が稼げないから、テレビの仕事も良くやっていた。クラシックだけ演奏している人から白い目で見られることもあったけれど、そのお蔭でクラシックの演奏会も好きなようにできたと言える。クラシックのオーケストラが歌謡曲を演奏するのは今ではなんでもない。でも私たちが社会に出たころはクラシック奏者は気位が高くて「題名のない音楽会」が始まったころは、演歌を弾かされると言うので泣いて拒否した人もいた。根強くクラシックオンリーの人は存在すると思うけれど、パールマンなどがアンコールにジャズを弾いたりするようになって、やっとクラシックの呪縛から解放されるようになってきた。いまではどこのオーケストラも歌謡曲のバックで演奏することに抵抗はなくなった。ホルンの二人は優れた演奏家で、どんなジャンルであろうと心を籠めて吹けばこんなに人の心を打つものなのだ。一人は岩手出身、さすが民謡の流れを汲んでこぶしの歌いまわしは見事。2人とも軽いジョークを品よくこなし、楽しげに演奏して喝采を浴びた。ホルンと言う楽器の最近のレベルの高さはどうだ。昔はホルンが出てくると皆は演奏の無事を祈ったものなのに。ひっくり返るのは当たり前の楽器だと思っていたのに。心地よい昼のコンサートはルースさんのミスのおかげで聴くことが出来た。そもそもこんなコンサートがあるなんて、近所に住んでいるのに初めて知った。川崎市さん、なかなかやるじゃない。

5 件のコメント:

  1. 町田には無いな、そのテのは。
    スポーツには熱心だし
    立派な庁舎はお建てになってるけど。

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  2. 音楽は一番最後まで冷や飯組よね。
    無くても困らないと思っているお役人が
    多いからでしょう。

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    1. 音楽関係は賄賂・リベートの
      見返りが少ないからね。

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  3. 突然ですがルフォスタクラクラスの近所のものです〜わたしも先日初めてコンサート聴きました
    洗足の学生さんでしたが…良かったです!

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  4. おやご近所のお方ですか。
    川崎もやっと音楽が定着してきましたね。

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