2016年10月21日金曜日

メンデルスゾーン「弦楽四重奏Op.44-1」

来月6日の水沢のチェロフェスタに参加する予定。
チェリストの舘野英司氏と教え子たち、東北の音楽家たちが集まってにぎやかに楽しもうという趣旨で、今年も私の教え子のKちゃんに牽かれての東北行きとなった。
去年Kちゃんに誘われたとき、演奏活動をやめる前にこれだけはもう一度弾いておきたいと思っていたモーツァルトの「ディヴェルティメント17番K.334」を、新潟からはせ参じたホルン奏者たちと一緒に演奏させてもらった。
時間制限があるから全曲は無理だったけれど、好きな部分はほぼ弾かせてもらえたのでとても満足した。

長大な難しい曲で、今まで3回演奏したけれど、もう演奏する機会はないと思っていたのでとても嬉しかった。
セカンドヴァイオリンとヴィオラを弾く人が必要なのに、地元にはプロのヴァイオリンがいないらしい。
それで、東京から一緒にいってもらったのが、ヴァイオリンとヴィオラの二人とも名前の頭文字がHさん。

チェロフェスタへの参加は仕事としてでなく、同好会みたいなものだからほとんど手弁当。
申し訳ないけれど、私のお願いきいて!と、頼み込んだ。
快く引き受けてくれた二人。
お二人はプロだから、今年はいくらなんでも遊びに付き合ってもらうわけにはいかないと思って声をかけなかったら、あちらから連絡があった。

最初はヴィオラのHさんが、今年も参加させてほしいと言われた。
ありがたく弾いてもらうことにして、それならヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏曲、モーツァルト「ディヴェルティメントK.563」を演奏しようということになった。
そしてホテルや新幹線の手配も済んでいたのだけれど、次にヴァイオリンのHさんから、今年も行きたいとの連絡があった。
「去年帰り際に、来年もよろしくって言ったでしょう」と叱られる。
なんてこった、私の友人たちの心の温かさったら!グスン。

二人が来てくれるなら弦楽四重奏ができる。
急遽、曲を変えることにした。
弦楽四重奏曲は星の数ほどあれど、アンサンブルは最も難しいジャンルだから、簡単な練習だけでは持って行けない。
けれど、短時間で演奏できるまでにまとめないといけないから、今まで弾いたことのあるレパートリーの中から選ぶとすると、ベートーヴェンの作品18あたりか、モーツァルトの「春」とか「狩」とか、ハイドンの「ヒバリ」とか、今までさんざん弾いてきた曲になってしまう。
ヴィヴァルディの「四季」から「春」を弦楽四重奏用に書き直したものも候補の一つ。
さて、どうしようかしら。

先日、北軽井沢のコンサートで弾いたラヴェル「ボレロ」も面白い。
あの時は大うけだったから、それをメインになにかポピュラーな曲をもう一曲入れてもいいかしらと、楽しい企画の段階。

私はヴァイオリンは下手でも企画は大好き。
演奏会の全体の構想から曲を決めるのがなによりも楽しい。
今回のようなお祭りならば闇鍋風ごったまぜ状態なので、好きな曲を持ち寄ってわいわい騒ぐのでいいけれど、自分が企画したコンサートはちゃんと頭としっぽがあるように念入りに考える。
今回はお祭りだから、あまり固く考えない方がよろしい。

お祭りが終われば即遊び。
レンタカーで平泉周辺を一日走ってくるつもり。
北軽井沢で肩透かしをされた紅葉が、今度こそ見ごろだと思う。
去年中尊寺に行ったときは雨だった。
今年は晴れ上がった秋空の期待が高まる。

良く遊ぶ人生。
これからもよく遊びよく食べ、そして一番肝心な、よく弾くことを心がけよう。
いつも助けてくれる友人たちには感謝あるのみ。

ああでもないこうでもないと考えているうちに、華やかで弾きやすく気難しくなく・・・ピッタリの曲があった。
メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲Op.44-1。
はじけるように始まる曲で、幸せだったメンデルスゾーンの生涯を彷彿とさせる。
ベートーヴェンのように気難しくなく、モーツァルトのように深さはないけれど、気品と若々しさに満ちている。
私の選曲の才能に我ながらうっとりする。
ヴァイオリンの演奏も一度でいいから、うっとりしてみたいものだわ。
いつも悪戦苦闘、ステージに出る前は「ああ、弾くなんて言わなきゃよかった」とブツブツつぶやくのに、終わると「次、なに弾く?」なんて性懲りもなく。

演奏活動をやめるやめると言いながらやめられない。
来年はベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」の共演依頼が・・
バッハ「ブランデンブルク協奏曲4番」のソロと、自主公演の予定も。
カルテットの曲を選んでいたら、シューベルト「死と乙女」が無性に弾きたくなった。
必ず弾こうと思う。

なんか、病気になりそう。
業ですね。








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