2016年10月27日木曜日

偉そうな野良猫

最近うちの駐車場に住みついた野良猫は、フウちゃんと名付けた。
顔を見るなりフ―ッと威嚇してくるから。
ミッケはついにいなくなってしまった。
心配ではあるけれど、近所の猫好きさんたちに取り入って餌をもらっていると思う。
彼女はこの近辺の猫たちの間でうまく立ち回って、上手に生きている。

このフウちゃんが、ものすごく大食漢。
漢と言っても雄だか雌だか、まだわからない。
たぶん雄だと思う。
今年に入って次々と我が家の猫が天国に行ってしまって、今1匹残るのみなので、最近猫缶がちっとも減らない。
猫砂もあまり買わなくてすんでいたけれど、フウちゃんが現れてから、また急に猫缶の減りが増えてきた。
減りが増えるって、変な言い方かも?

ミッケとシロリンの2匹でつるんで来ていたときには、朝だけ猫缶1缶とカリカリ少し、それでも最近は残るくらいだった。
この2匹はあちらこちらに保険がかけてあって、うちがダメならあそこにと、町内一回りすれば安穏に暮らしていけるのだと思う。
しかし、新入ノラの縄張りは我が家の駐車場のみ。
ここで食べなきゃどうするとばかり、がつがつとむさぼり食っている。
それで朝、ノラとシロリンのために猫缶二缶が開けられる。
シロリンは鷹揚に半分くらい食べて、次の餌場に出かけていく。

その後フウちゃんは、その残りまでぺろりと平らげる。
夕方も、他の猫と違って我が家で食べるから、一日缶詰が3缶消えていく。
これはたまらん。

先日近所を散歩していたら、シロリンがとある猫好きな奥さんのいるうちにいたのを目撃。
ここは保険第何番目なんだろうかと思っていたら、私を見つけてニャーと鳴いた。
なんだか最近甘えた風の声を出す。
体もきれいになって、耳や首のあたりにいつも怪我をしていたのが、きれいに直ってきた。
よく見ればかわいい顔と性格の良さそうな、お猫良しとでも言うのかしら。
エサを食べている間私がべたべた触っても、前のようにシャーっと威嚇しなくなった。

猫の絵で有名なチェリスト雨田さんの猫のジャリちゃんは、外で出会ったら、よその奥さんから「あら、**ちゃん」と全然違う名前で呼ばれていたと雨田さんが笑いながら話してくれたことがあった。
うちのシロリンも、そこ家のではなんと呼ばれていることやら。

夕方になってフウちゃんの夜食をご用意する。
物置からお出ましになったフウちゃんは、遅いじゃないか!とわめき、フーッ、フーッと威嚇する。
すみません、遅くなりまして。
少しじらそうと、えさを手前に置いて私の手を食器から離さないでいたら、やられた!
ひときわフーッの声が大きくなったと思ったら、シャーッと一声、ガシッと手に爪が食い込んできた。

ここで大声を出したり怒ったりすると、やっと少しずつ馴れてきたフウちゃんがおびえるといけないので、黙って手を引っ込めようとする。
けれど、猫の爪はかぎ状になっているから、食い込んで中々抜けない。
しばらくしてやっと爪が抜けて、少し血が出た。
猫の爪の裏には毒があって、傷口は針の一刺しくらいでも奥の方に毒が回って化膿することがある。
血を吸い出して、口をゆすいで、たぶんこれで大丈夫。

冬が来る前に馴らして家に入れようと思っているけれど、さてどうやったらいいものか。
動物愛護協会の人に頼もうか。
獣医さんに相談してみよう。
やれやれ、又厄介なこと。

今残っている猫を最後の猫にするつもりだった。
これから若い猫を飼うと私が先に逝ってしまうこともあるからで、そうなると猫もかわいそう、私は成仏できない。
だからもう飼うのはお終いだったけれど、フウちゃんはかなり年齢が高そうだから冬の寒さに外ではかわいそう。

とかなんとか、口実はいくらでも考え付く。
私の無定見さは猫並。




















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