2017年6月25日日曜日

命の恩人

数日前から始まった背中の痛みは一向に消えない。
なにかの病気ではないかとネットで調べたら、背中、特に左側の痛みは大層な病気の兆候と出ていた。

心臓、膵臓、胃潰瘍、腎臓などなど・・・
心臓は真っ先に疑ったので心電図を取ってもらったけれど、きれいな波が並んでいた。
肺も雑音なし。
心臓以外の病気なら、1週間くらいなら急をようする事態にはならないと決めて、明日から北軽井沢に向かう。
姿勢によって痛みが出たリ出なかったり。
特に背中をまっすぐにして両手を前に出す、ちょうどいまキーボードをたたいているような状態が痛い。
座っているからまだ少しは背中を椅子の背もたれにもたせかけられる。
幸いなことに寝ている状態では全く痛みがないから、いつもと同じようにぐっすり眠れる。
これは助かった。
内臓疾患なら姿勢がどうあれ痛みは持続すると思われるので、さほど心配はしていない。

さっきモヤシのヒゲを取っていたら、たまらなく痛かった。
それでモヤシの入ったボウルを高いところに乗せて、椅子に座ってそっくり返って作業。
外から見たら、いったい何をしているのかと疑うような姿勢。
お皿を洗うのもひどく痛い。
これが一番痛い姿勢というとおわかりでしょうか。
北軽井沢で皿洗いするときに、私はしないで済む良い理由になるのでしめしめ。
たぶん心優しい友人がぜ~んぶやってくれるでしょう。

それでもヴァイオリンを弾くのにはなんの支障もない。
右側の痛みだったら、たぶん弾けないと思う。
左側で助かった。
車の運転もできる。
この二つができれば旅行を延期する理由はないから、あちらから戻ったら病院へ行くことにした。
食欲もある。
内臓が悪いとは思えないけれど、どうかな。

そろそろ来る頃だとは思っていた。
10年か12,3年周期で体が故障を起こす。
3大疾病とガンも体験した。
そのたびにリフレッシュして蘇る私は不死鳥のごとし。
そうそう、ハリー・ポッターの第5巻「不死鳥の騎士団」は次のレッスンが最終回。
良く最後までたどり着いたものだと、自分で頭を撫でたい。
最終ページが終わったらルースさんとハイタッチかな。
でも後2巻、まだまだ話は続く。

今回の痛みが出たことでも、普段の生活に支障は出ないのが不幸中の幸い。
怪我でも病気でも、私の場合は普通にヴァイオリンが弾ける。
以前熱い油を手の甲に浴びてしまったことがあった。
その時は指の付け根から甲に向かってのやけどだった。
右手の付け根だったから、幸い包帯を巻いても弓を動かすことができたので、仕事は休まずに済んだ。
包帯姿で仕事に行ったら皆が「右手で良かったね、左手だったら指が動かせなかったね」と祝福?してくれた。

乳がんの手術の翌日には10時間の仕事もできるほど、ダメージはなかった。
やはり麻酔は体にきついらしく多少はだるかったものの、まだ今よりも10歳以上若かったから、ほとんど影響はなかった。
唯一の恐ろしい体験は急性肝炎の時。
演奏旅行の3日ほど前から高熱が出て気分が悪い。
練習場の近くの病院へ行ったら単なる胃腸炎とか、藪医者が適当なことを言って胃の薬を渡された。
演奏旅行中の東北で、あまりの気持ちの悪さに地元の診療所に行ったら、命に係わるからすぐ帰るようにと医師が青くなった。
オーケストラの仕事で一人抜けても残りの人たちがいたからいいようなものの、ソロや室内楽だったら降りることはできなかった。
もう一日演奏会が残っていたのに、メンバーに別れを告げてトボトボ一人駅まで歩く。
途中で力尽きて休もうと入った喫茶店で、私がヴァイオリンを持っているのを見た店主がレコードをかけた。
そのレコードの曲が「死と乙女」
それを聴いたとたん、ああ、私はやっぱり死ぬんだわと思って暗澹たる気持ちになった。
気分が悪すぎてまっすぐには帰れないので、一晩仙台に宿泊して次の日の新幹線で戻ったら即入院。
1ヶ月半の入院となった。
その時に演奏会を1週間後に控えていた。
演奏会に出る出ないで主治医と激しくやりあって、そして近所のホームドクターに諭されてコンサートは出演辞退となった。
その時点で代わりに弾く人を探すのは不可能と思われたときに、鳩山寛さんが代わりを務めてくれた。
お蔭でコンサートの中止は免れたけれど、鳩山さんもさすがに真っ青になって練習していたとは、ほかのメンバーから聞いた。

演奏旅行先の東北とは釜石のこと。
演奏会前にタクシーでホテルから診療所まで、かなり遠い道を走った。
到着して事情を話すと、普通なら検査の結果は翌日まで待たされるのを、その医師は只事ではないと思ったらしい。
すぐに検査をしてくれて、結果をその日のうちに出してくれた。
そして「一刻も早く帰って入院しないと命にかかわる」と言った。
医師の判断のお蔭で命拾いをした。
すでにその時点でGOTが2000を超えるという劇症だった。

3.11の時、私はその診療所がどうなったか、その先生はご存命かどうか知りたかったけれど、いまだに訊くことはできない。
私の命の恩人が、どうかご無事でありますようにと祈っている。































2 件のコメント:

  1. ブログ書いてるより早くお医者さんに行ってください、と書こうと思ったら、もう行っていたんですね。
    ↓こんなの見つけました。CTスキャンとかMRI、近くに受けられるところがあったら相談されては。
    http://www.kagua.biz/ikuji/ctscan-ct660-jushin.html

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  2. 気にかけていただいてありがとうございます。
    旅行や仕事などで来週まで病院へ行けないのですが友人が手当というような治療をしてくれました。
    手を痛いところに充ててもらった数秒後には私は眠ってしまい気が付いたら20分もやってくれたらしいのです。
    その日は副作用みたいに余計悪い状態になって翌朝スッキリ!効いたようです。来週必ず病院へ行きますので又ご報告します。

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