2017年6月29日木曜日

小鳥と共演

北軽井沢に4日間滞在。
朝自宅を出発、軽井沢インターからまず軽井沢へ行って、軽井沢駅近くの別荘に逗留中のY子さんと合流。
ランチをごちそうになった。
おいしいけれどあまりにもボリュームのあるランチで、食べ終わるともう下は向けない。
前菜、パスタだけで主菜はとても食べられないほどの量があった。
外庭のテーブルの前は道路で、そこを中国人が大勢自転車で通る。
いまや軽井沢も大勢の中国人が楽し気に歩いている。
食事のあと、北軽井沢までのルートは白糸の滝経由。
初めて見たけれど、白糸の滝は山の中程から水がしたたり落ちで、幅の広い滝となっている。
川から落ちているのではなく、山肌から水が湧きだしてくる。
不思議な光景だった。
滝の近くまで行くと急に涼しくなって、やっと若葉が見られるようになった木々が美しい。
先月来た時にはまだ芽も出ていなかったのが、今は全山薄緑で覆われている。

結局Y子さんは夜まで付き合ってくれて、夕飯も一緒に摂ることになった。
北軽井沢ミュージックホールの近くの食堂で、気の良いご主人が作ってくれたおいしい豚の角煮や鶏のソテーなど。
肉の下に野菜がこれでもかと置いてあって、食べても食べても減らない。

次の日昼頃、今回合宿の相棒となるピアニストのSさんを迎えに中軽井沢までひとっ走り。
夏の北軽井沢ミュージックホールフェスティバルのお世話をしてくださる地元のYさんが、ホールのシャッターを開けて待っていてくださった。
練習前に昨日の夜と同じ食堂のランチを食べる。
トマトソースのパスタ。
そのトマトが又、とんでもなくおいしい。
新緑の木々の緑とさわやかな風と、穏やかな日差し、おいしいトマト。

練習の最初は秋のコンサートで弾くモーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのソナタホ短調」
ミュージックフェスティバルとは関係ないけれど、ホールを借りてみっちりと練習した。
Sさんも私も、普段はお互い家事や仕事で束縛されているけれど、こういう処に来てしまえばすべて解放される。
そのことだけに集中していれば良いのだから、心置きなく練習ができた。

このホールは片側がシャッターになっていて、そのシャッターを開けると中庭に面した開放的な空間ができる。
全くの外になるから、風も入るし鳥の声や外の車の音まで入ってくる。
雨でも降ったら弦楽器にとっては大惨事。
フェスティバル当日雨でないことを祈っている。
その日は午前中は怪しい空模様で、朝の内は少し雨がパラつくようだったけれど午後には上がって、優しい午後の光が木の葉の間から差し込む。
音を出すとなんともいえない明るい音がする。
ああ、いい音。
ピアノのSさんも、なんて気持ちいいのかしらと深呼吸。
2人は夢中でモーツアルトにのめりこんでいった。
気が付くと、たくさんの鳥が木の上で鳴きだした。
まるで競っているようで、そのまま一緒に弾く。
音楽と自然は調和する。

そのうちセミのような声も聞こえてきた。
セミにしては季節が早すぎる。
カジカではないかと言う人がいた。
カジカってなんだろう?

練習はこの素敵な環境で熱が入る。
二人の様々な思いがぶつかって、何回も同じところを繰り返しては摺り合わせ、一つのものを作り上げる。
これがアンサンブルの醍醐味。
結局練習が一番面白い。
庭の奥で誰かがうずくまって聴いている。
通りがかりの人が音につられてはいったのかと思ったら、ルオムの森のAさん。
去年まで私たちはルオムの森で弾かせてもらった。
彼女も自然と一体になったモーツァルトを、殊の外喜んで聴いてくれたらしい。

その夜からノンちゃんの家が宿泊所。
初めて来たSさんは喜んで、童話のような家を眺めていた。
外側は木の皮で葺いた壁。
時が経つにつれて自然に乾燥や湿度の吸収を繰り返し、板の隙間がふさがっていくらしい。
築8年くらいで木の皮は飴色になっている。
外から見るとミノムシみたいに可愛い。

ワインを飲みながら、話は尽きない。
音楽の話にはとりわけ熱が入る。
外は強い雨音がして、夜も更けてからやっと眠りに就いた。

次の日は夏のフェスティバルコンサートの出演者も合流。
コントラバス、ヴィオラのデュオ、ピアノのソロなどの練習の合間に秋のコンサートの曲を練習したり、一日中弾いていられるのはうれしいけれど、前日とはガラッと湿度が変わっていた。
前夜に降った激しい雨のせいで湿度が高くなっていた。
私の楽器は非常に気難しい。
気難しい事は楽器も人も悪くはないけれど、扱いにくいことは確か。
午前中は昨日と違いほとんど鼻つまり状態で、やる気を削がれる。
午後になり、又前日のような気候になって乾いてくると、楽器が鳴り出す。
弦楽器は湿度との闘いなので、当日の天候が心底心配。

昼食のお蕎麦は物凄く量があって、山のようなてんぷらが添えてあった。
それを食べたら狸のお腹。
夜になってもお腹が空かないから、少し山を下った星野温泉付近のハルニレテラスに行って少量のおつまみのセットを買ってきたけれど、それすらもう受け付けないほどの満腹だった。
ワインだけ少しずつ飲みながら、話し込む。
学生時代に戻ったような気がする。

さて、背中の痛みのことだけれど、滞在中はずっと治らなかった。
しかも首にじんましんのような赤い腫れが出てきた。
ちょっと悲観的になっていたら、ヴィオラのKさんが手当?のようなことができるからやってあげるという。
お言葉に甘えて、うつぶせに寝て手を当ててもらった。
あっと言う間に私は眠ってしまったらしい。
目が覚めたら20分も手当をしていてくれたらしい。

その夜、なにかリバウンドのようなことになって、寝苦しい。
心臓がどきどき、暑かったり寒かったり。
途中で目が覚めては柄にもなく物事を悲観的に考えた。
そのうち夜明け前にスーッと寝入ったら、目覚めはとても気分が良い。
あれほど痛かった背中の痛みがなくなっていた。
首の赤味も薄くなっていた。
触ってみると腫れもひいている。
帰路の長時間の運転にも背中は痛くならない。
目も良く見える。
これは良く寝たからなのか、気功のような手当のおかげなのかよくわからないけれど、快方に向かっているらしい。
とにかく来週は健康診断を受けようと思っている。




























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