怪しい肉を食べても大丈夫だった胃が、時々シクシクと痛む。
なぜかというと、例によって軽率なことをして。
いつも食事の献立は考えない。
予定を立てて買い物をすれば、食材を買いすぎることもないから経済的とはわかっているものの、性格的にそういうことは無理。
まず買い物に出かけるとき、何も考えない。
食品売り場で目に付いたものを片っ端から買ってくる。
その日の体の要求とご相談。
暑い日ならキュウリやトマトが食べたい。
冷ややっこもいい。
茗荷とネギ、大葉などの薬味があれば最高。
去年夏の大ヒットはスイカピザ。
スイカを薄切りにして上に生ハムやチーズをのせて食べる。
友人たちが来た時に出したら、うにゃうにゃ言って食べていた。
先日、さて今日は何を食べようか。
冷蔵庫になにか入っているかな?
見慣れない紙の箱を見つけた。
カレールーでも置いてあるのかなと思って取り出してパッケージを見ると、四川マーボー豆腐の元と書いてある。
こんなものいつ買ったかしら、さっぱり記憶がない。
冷蔵庫に声を掛けた。
「これはどうしたの、いつからここにあるの?
私は買った覚えがないけど、あなた、どこからくすねてきたの」
すると冷蔵庫はわたしをじっと見て「そういうのを下種の勘繰りというのですよ。品性卑しい人が自分の持ち主だと思うと情けない」
ふん、冷蔵庫風情にバカにされてしまったわ。
「数日前にご自分で私のお腹に入れたじゃないですか。あなたこそちゃんとお金は払ったのでしょうね?」
あら、そうだったかしら。
ちょうどお豆腐もあるし、ではこれで麻婆豆腐を作ってみよう。
というか、たぶんお豆腐を買うときに一緒に買ったものと思われる。
計画性がないから単に忘れていただけ。
中には小分けされた調味料が4袋。
お豆腐1丁に一袋と書いてある。
袋はとても小さい。
お豆腐一つに対して、こんなに少しでは足りないでしょう。
2袋入れよう。
だって、ネギをたっぷり入れたいし。
ネギは少ししかなかったので、大きな玉ねぎを使うことにした。
お豆腐も大きめ、こんな小さな袋で足りるわけがない。
説明書通りに作業をしないのでいつも周囲から顰蹙をかうけれど、私は料理だったらわかるんだから。
袋を取り出してみるとやけに赤い。
ふん、少し辛そう。
まあ、四川風だし。
見た目はおいしそうに出来上がったけれど、一口食べると喉の奥に引っかかった辛味がこみあげてくる。
思わず咳き込んだ。
その日はそのまま食べたけれど、少しずつ恐る恐る飲み込むとまた強烈な辛味が・・
ほんの少し食べてギブアップ。
次の朝、なるべく唐辛子の赤身の少ないところを掬ってトーストにのせて食べると、これは意外とおいしい。
そのあとコーヒーを飲んだら、何が何だかわからない風味がした。
両方強烈すぎるし、相性最悪。
口の中で食べ物同士が大げんか。
お昼には白いご飯一杯にほんの少々のせて。
これは一番オーソドックスだけど辛くて全然減らない。
その日の夜、ジャガイモをゆでてマッシュポテトを作った。
それにマーボー豆腐を混ぜて辛味を軽減。
ゆで卵の周りにそれを巻き付けてパン粉をまぶして揚げた。
スコッチエッグのマーボー豆腐バージョン。
これはすごくおいしかった。
ピリッと辛いのがアクセントになって、卵の黄身のねっとり感と良く合う。
そこまでしてもまだ余っている。
スコッチエッグに使ったジャガイモ入りのマーボー豆腐の余りは、今朝最後の舞台を迎えた。
オリーブオイルで食パンを両面カリッと焼いて、マーボー豆腐をのせてその上に溶けるチーズをのせてトースト。
う~ん、これは美味しい!
我ながらアイディアの素晴らしさにウットリだわ。
食べ続けてようやくマーボー豆腐完食。
辛かったせいか、胃がシクシク。
食べ過ぎたわけではない。
夕飯の分が次の日丸一日とその次の朝食になったのだから、食費はずいぶん倹約できたかもしれない。
材料はお豆腐1丁、ネギ少々、玉ねぎ大玉半分。
材料費200円くらい?
形を変えて、ジャガイモ2個、卵2個。
トータル500円もかかっていない。
うっふっふ、見たか、これが猫ママの節約術なのさ。
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