東京文化会館小ホールにて。
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第13番 K.173
ショスタコービッチ:弦楽四重奏曲 第14番 Op.142
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番 Op.132
ヴァイオリン 塗矢真弥 水村浩司
ヴィオラ 中川裕美子
チェロ 奈切敏郎
チェロの奈切りさんとは旧知の間柄。
数年前、私達のピアノとヴァイオリンのデュオ・リサイタルのときに、賛助出演でブラームスのトリオを弾いていただいた。
このカルテットは1971年に結成されたと言うから、再来年には半世紀越えの老舗となる。
チェロの奈切さんが結成した「奈切弦楽四重奏団」として活動を開始。
その後「ベートーヴェンカルテット」と名前を改める。
ただし、海外にベートーヴェンカルテットがすでに存在したので、頭に「東京」と付けているそうなのだ。
長年の活動で、メンバーも少しずつ変わって、今回のメンバーで聞くのは私は初めてだったけれど、実に良いハーモニーを聴かせてくれた。
特にショスタコーヴィッチが楽しかった。
ベートーヴェンOp.132は後期の作品。
私がこの曲を最後に弾いたのは、今から40年も前。
その時私は大病を患って1ヶ月半の入院の後だったから、まさにこの曲の「病の癒えた者の神への聖なる感謝の歌」の表題が身にしみた。
そしてこの部分である3楽章の見事なハーモニーが、この弦楽四重奏団が絶好調である証となった。
祈りの様な演奏に涙が零れそうだった。
素晴らしいメンバーの今後の演奏を楽しみにしている。
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