2019年9月12日木曜日

猫の災難

台風による停電はまだ続いているようだ。
たった数時間で音を上げた私よりも、もっと過酷な状態で耐えている人たちがいて、お気の毒としか言いようがない。
私が電力会社ではないので、手の施しようもなくて。

上の階に住んでいる人が停電の最中にドアをノックしてきた。
「電気点かないんですけど」「停電なの」「インターホンも消えてるんですが」
「私のせいじゃないので東電さんに言ってください」「あ、そうか」
私以上に浮世離れした人もいるものだと感心した。

冷凍食品が半解凍されてしまったので仕方なく食べたけれど、まだ生きているから腐ってはいなかったようだ。
いつ買ったか判然としないチャーハンは少し味に癖があったけれど、まあまあ美味しくいただきました。
去年から料理をすることをやめてフリーズドライや冷凍食品などを食べてばかりいたけれど、最近やっと生気を取り戻してごく普通の食生活に戻ってきた。
野菜も摂るようになって徐々にパワーも取り戻しつつある。
少しずつ調理もするようになった。
考えてみれば、次のステージに進むステップが用意されていたのかも。

上の階の人は猫さんを2匹飼っている。
昨日は朝からどこかで猫の声がしていた。
またノラが来ているのかとおもっていたけれど、放置。
昼過ぎもずっと鳴き声が聞こえる。

夕方雨が降り始め雷もなり始めた。
すると猫の声がけたたましくなった。
明らかにたすけて~と言っている。
外に出て探しても姿はないけれど、近くにいるようだ。
しかも声は上からきているみたいで。
もしや?ニャンニャンと呼ぶとにゃおーんと応える。
ああ、やはり上の階のベランダで鳴いているのだ。
ベランダには猫さんが逃亡しないように網が張ってあるので、降りてくることもできない。
雨も雷も段々ひどくなる。

住人に電話したけれど応答がない。
こうなったら仕方がない、嫌なことだけど合鍵で入るっきゃない。
夕方の薄暗がりで室内の様子は見えないけれど、まっすぐにベランダの窓まで行って開けると大きな猫さんが飛び込んできた。
スコティッシュホールドの立派な雄猫はフレンドリー。
嬉しそうに駆け寄ってきたけれど、私は不許可侵入だから遊んではいられない。
またまっすぐに戻ってドアを締めた。
その間ほんの数十秒だと思う。

なんだか悪いことをしているような気がしたので、入ったことを知らせる手紙をドアに貼ってきた。
しばらくして帰宅した住人が来たので「猫さんがずっとベランダで鳴いてましたよ、出したの?」
すこし咎めるような口調になってしまったら、出たのに気がつかず出勤したらしい。
そして室内を見られたのを気にしている。
すごく汚くしてあって、あれ見たんですか?と。
いやいや、私は他人のことに無関心だから、見て回るようなことはしない。
まして薄暗がりで電気もつけなかったし、猫さんを入れてすぐに出てきたので。
働いている人は、家の片付けもままならないことが多い。
私もフル稼働していたころの室内はとてもひどかった。
余裕のできた今もひどい。
だから散らかった部屋を見ても、うちよりはきれいと思うことが多い。

すごく前のこと。
私は大忙しで外出の際に玄関のドアを半開きで、でかけたらしい。
帰ってきたらお隣の人から「ドアが開いていたので心配して入って見ました」と言われた。
きゃあ、あれを見られたか。
でもうちには盗られて惜しいものもないし、もし泥棒が入っても、先客がいたと思うくらい散らかっているから諦めて帰るでしょう。
きれいにしていたのに泥棒に荒らされたら腹が立つけれど、たぶん呆れ返って掃除をしてくれるのではと期待している。






























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