2014年10月18日土曜日

ウイーン八重奏団

東日本大震災復興支援チャリティーコンサート
            鶴見サルビアホール

ヨハン・シュトラウス ワルツ「ウイーン気質」
ベートーヴェン          「七重奏曲」Op.20
シューベルト              「八重奏曲」Op.166

久々にウインナーワルツ独特のリズムを聴いた。
私が東響に入った頃、毎年ウイーンからヨハン・シュトラウスの孫のエドアルド・シュトラウスが来て、「アサヒビールコンサート」という冠コンサートで日本各地を回った。
今日の初めの曲が「ウイーン気質」ウイーン独特の3拍子だったので、当時を思い出してしまった。
ウイーンの3拍子は、1拍目と2拍目が早く、3拍目との間が空く。普通のワルツのブンチャッチャでなく、ブンチャッ チャとなる。
分かりますかね、こんな説明で。
ブンの次のチャは、そこで踊る人が回るところなので、ちょっと伸びる、次のチャはすこしゆっくりと入ってくる。
でも、3拍目をゆっくりするには、やはり2拍目は少し早めに弾かないと、寸法が合わなくなると思うのですが。
これでどうでしょうか。

故北爪利世さん(クラリネット)がエドアルド・シュトラウスに、1拍目と2拍目が早いのか、2拍目が伸びるのかどちらなのかと聴いたら、2拍目が伸びると答えたそうだ。その時に、そこは踊り手が回転するからと答えたという。
北爪先生は偉い人なのに、恐れ多くも私のカー仲間だったので、助手席でよくそんな話を聞かせてもらった。
私たちは毎年ウインナーワルツを弾きながら、20日間くらい旅をした。
そういうことがなくなってから新人が入ってきて、ウインナーワルツを弾いたとき、私がウインー風のリズムで弾いたら、怪訝そうに顔を見られてしまった。
この人、リズム悪いと思ったのでしょうね。
今日、聴いて当時を思い出した。

2曲目のベートーヴェンは、私もこの曲を演奏したくて、メンバーを集めて練習したことがあった。
練習はしたけれど、ヴァイオリンパートのあまりの難しさに、コンサートに出すことは諦めた。
これほど、アラの目立つ曲はない。
基礎が出来ているかいないか、一目瞭然。
今日もたまに音程が気になったので、でも逆に、もう一度挑戦してみようかという気になった。
流石のヴェルナー・ヒンクさんでも、コンサートの初めの方でこの曲を弾くのは、大変なのだ。
テクニシャンな今時の若者なら、なんなく弾くかもしれないが、他の部分で彼にはかなわないと思う。

シューベルトはしょっちゅう聴いていたけれど、まだ弾いた事がない。
八重奏曲のメンバーをそろえるのは、よほどの機会がないと大変過ぎる。
でも、一度は弾いておきたい曲の一つ。
私も弦楽四重奏やその他のアンサンブルは、数多く弾いている。
しかも、私ごときのレベルでは到底一緒に弾いてはもらえないような人達と。
どういうわけか、さんざんチャンスを頂いた。
そういう名手の演奏を横目で見ながら、色々学ばせてもらったので、本当に幸運だったと思う。
それほどチャンスがあったのに、この曲を弾くことがなかったのは、やはり管楽器が入っているので、メンバーをそろえにくい。
演奏会でも中々聴く事が出来ない。

今日の最後の曲は、これこそウイーンの音という音だった。
なんと形容しますか、これは聴いて頂くしかないと思っている。
言葉を尽しても表現出来ない。
メンバーはかなり高齢で、これ見よがしにテクニックをひけらかすことはないけれど、隅々までシューベルトを理解していて、楽しげに作り上げていく。
ここまで来るとヒンクさんの面目躍如。
アダージオのアウフタクトの音なんか美しすぎて、居眠りもできない。
お見事というより他にない。
伝統と熟練の技を堪能してきた。















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