2014年10月14日火曜日

喉黒

喉黒・・・あかムツの別名。

日曜日昼過ぎ新潟に到着。
市内のホテルにチェックインして、さてどうやって夕方の練習までの時間を過ごそうかと思ったけれど、結局なんだかんだグズグズしているうちに時間になってしまった。
どこかで美味しいお寿司を食べようと思っていたけれど、練習後のお酒のことを考えるとあまりお腹がいっぱいではまずい。
タクシーで約10分ほどの音楽文化会館へ向かう。
万代橋を渡って行くのだが、この辺はかつて長期の仕事で滞在したことがある。
懐かしい。
毎晩皆でお酒を飲んで酔っぱらって、万代橋の石の柱に登って万歳をした・・・
帰りには市場によって魚を自宅に送るのが、毎度のことだった。
オフの日には佐渡に渡って一泊したり。
そんな面白いことが沢山会って、新潟は特に気に入っていた。

私の教えているKさんと、新潟チェロアンサンブルの指導者、館野英司さんの教えているTさんが結婚して、そのご縁で館野さんと旧交を温めるようになり、そのK&T夫婦(牛)に曳かれて新潟詣りという次第。

ベートーヴェンの「街の歌」を地元のピアニスト関田さんと館野氏と演奏する。
練習後は新潟チェロアンサンブルの前夜祭?の飲み会が盛大に行われた。
そこで生まれて初めて・・・でもないけれど、今まであまり美味しいものに出会わなかった喉黒を、特別に注文してもらった。
なぜ特別かというと、凄くお値段が高い!
高すぎるから、自分では到底注文なんか出来ないのだ。
目の前に来たそれは、見ただけでヨダレが出そうなくらい美味しそうで、思わずニャーとも言わず、無言で一番美味しい腹身の部分を頂いてしまった。
尻尾は皆さんにというわけで、その美味しかったこと。
この次はいつお目にかかれるかわからない。

本番の前の日にこんなに大騒ぎしていいものかと思ったけれど、皆さんお酒も強いし陽気で話が面白い。
これでは新潟チェロアンサンブルに、九州から参加する人もいるというのも頷ける。
なんだかひっちゃかめっちゃかで疲れたから、喉黒に満足した私はとっととホテルに退散した。
ホテルでコーヒーを入れようと思って、コンビニで買ったドリップコーヒーの袋を破ったまま、寝てしまったらしい。

今朝練習室に行っても肝心の御大現れず。
昨日飲み過ぎて爆睡していたらしい。

私の出番まではかなり時間が空くので、練習したり近くの新潟県政記念館のコンサートを聴きに行ったりして、時間をつぶす。
この県政記念館のコンサートは、チェロアンサンブルの方に出演の根津さんという方のご子息の演奏会だった。
隣り合わせの会場でお父さんと息子さんが、別々に演奏しているのも面白い。
その上、もう一つお隣の大きな会場では日フィルの演奏会があって、そのメンバーが練習の合間にこちらに来て出演するというのだ。
3つの隣接した建物でのコンサートのメンバーが、全部つながっているのが面白い。

県政記念館は新潟県議会旧議事堂だそうで、国の重要文化財となっている。
内部は天井が高くコの字型にテーブルとイスが並んでいて、ここでかつては県議会が開かれていた。
傍聴席がテラス状に上方にしつらえられているが、その鉄製の支柱の透かし模様がすごくおしゃれ。
床の絨毯も上等で、当時としたら(明治16年建立)日本では珍しい壮麗さではなかったかと思われる。

さてそこでの演奏会は「越友楽道」と言うアンサンブル。
メンバーは
チェロ    根津要
チェンバロ  笠原恒則のお二人が2010年に結成。
それに今回はゲストとして
フルート   浅利守宏

新潟の地に根ざし様式や楽器のとらわれず、楽曲の魅力を伝えようという試みで結成されたとのこと。

この旧く美しい建物にぴったりのコンサートだった。
チェンバロとチェロの柔らかい響きが高い天井に反響して、時代が戻って行くような。
プログラムもテレマン、ヘンデル、バッハなどの他にヴィラロボスなどの異色な作曲家を組み合わせて、起伏のあるプログラムで飽きさせない。
約2時間たっぷり堪能させてもらった。

それが終って演奏会場に戻ると、トリオを数回合せたあと本番。
非常に楽しかった。
初っぱなでちょっとガタついたので、私が悪いのかと思ってぺろりと舌を出したらしい。
生徒のKちゃんから指摘されてしまった。
これだから私は、いつも不真面目と思われるのだわ。
本当はいつも真剣そのものなのに。

台風接近のニュースにビビって、今日の打ち上げは参加せず早めに帰ることにした。
せっかく手に入れた、運命的な最後の一枚の指定席。
それに座らず、みすみす自由席に乗るなんて。
何のことはない、大騒ぎする割にはまだ台風は来ていない。
なんだなんだ、もう一匹喉黒食べられたかもしれないのに。

どこまでも意地汚いわたくしでございます。






























2 件のコメント:

  1. 新潟ならおいしい日本酒もあって、お魚もおいしそう。いいなぁ。最近、酔って倒れて頭を打って、3日間入院することになってしまいました。 点滴をうけているとき、こんなときネコタマさんのバイオリン聴いたら、天国にいく気分になれるかも、と思ってましたよ。 人間、たまにはこんなこともあるんですね。

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  2. 私のヴァイオリン聴いたら本物の天国に行ってしまいそうだからお聞かせできませんが、そう言うときはお知らせ頂ければおいしいお酒を持ってお見舞いに行きましたのに。今度から飲む時にはヘルメットをかぶりましょう。
    時々そうやって休暇をもらったと思えばいいのですが、それにしてもくれぐれもお大事に。

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