2014年10月6日月曜日

若すぎる

創立時から関わりのあった西湘フィル。
そのコンサートミストレス、國廣朋奈さんが数日前に天国への旅に出てしまった。
33才、彼女は頑張り屋さんで、コンサートミストレスになった当初は緊張の余り体が動かないといっていたのが、去年の定期演奏会では貫禄も出てきて、これからという時だったのに。

初めの頃、自分が付けたボウイングが否定されるとすごくショックでと、落ち込んでいたことがあった。
それで、あなたはコンミスなんだから、自分の考えを堂々とみんなにやってもらいなさいとアドバイスをしたことがあった。
なにか言われたら「私はコンミスよ。なんか文句あるの?」と言っておやんなさいなどと乱暴なことを吹き込んでいたけれど、私と違っておとなしく育ちの良い彼女は、勿論そんなことは絶対言わないで、黙々と真面目に勤めを果たしていた。
内気で自分をアピールできない。
それで、必ず合図を出す、自分の表現を皆に伝えるようにと言い続けてきたら、過日の定期ではかなりアピール度が出てきて、いよいよという時だったのに・・・
結婚もしたばかり。

先日樫本大進のコンサート会場で、私を見つけてうれしそうに挨拶に来てくれた。
具合はどう?と訊いたら、なんとかやっていますと笑顔で答えた。
体の具合が悪いから皆さんに申し訳なくて、みたいなことを言ったので「そんなことはないわ。頑張ってね」と言って、それが彼女と交わした最後の会話。

数日前知らせが届いて、今日がお葬式。
私は秦野まで行くと仕事に間に合わないので失礼して弔電を打っておいたけれど、まさかこんな台風の日になるとは思っていなかった。
お葬式は大丈夫なのだろうか。
こんな若い人が、才能も未来もたっぷりあって夢を沢山持っていた人がと思うと、運命の神様、理不尽ではありませんか。
可愛らしい丸顔の、内気そうな彼女のほほえみを思い出すと、たまらない。

朋奈さん、安らかにお眠りください。



















3 件のコメント:

  1. しきぶ@西湘フィルOb吹き2014年10月6日 23:30

    ご無沙汰しています。西湘フィルの「よく喋る落ち着きがない」Ob吹きです。

    今日の葬儀に西湘フィルメンバーと参列して参りました。
     こちらは、朝方は車の運転に危険を感じるどしゃ降りと強風で、避難勧告も出たほどの大荒の天気でした。けれど、出棺時には台風が嘘のように晴れ渡ってお見送りができました。
     朋奈先生も参加されていらした「アンサンブル楓」の先生方や、朋奈先生の恩師と小さなお弟子さんの心からの演奏でお見送りをして頂き、朋奈先生にもきっと届いたのではないかと思います。

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  2. お知らせを頂いて、本当に悲しい思いでいっぱいでした。
    あんなに若くてこれからという人が・・・ご葬儀の時間に晴れ渡ったのは、彼女を天国が歓迎していたということですね。
    小さなお弟子さんは、これからもっともっと先生に教えてもらいたいことがいっぱいあったと思います。明奈さんも心残りだったことでしょう。
    皆さんの演奏に送られたとのこと、穏やかに旅立たれたと思います。

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  3. ごめんなさい。朋奈さん。
    こんな時に、お名前を間違えて。

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