2018年1月28日日曜日

怪我

北海道へ出発する。

ところが1週間ほど前、右腿後ろを強打。
すぐに治ると高を括っていたけれど、中々痛みが引かない。
歩くと悪化するので、ここ数日歩かないようにしている。

最寄り駅の階段で滑って尻もちをついたのは電車に飛び乗ろうとしたためで、良く考えればなにも急いでいたわけではないのに、粗忽者はこうやって自滅する。
出発のアナウンスが聞こえたから下りの階段でダッシュ!
次の瞬間靴の底がつるりと滑った。
同じ階段を隣り合わせで走っていた若い女性が手を差し伸べてくれたけれど、たいしたことないからと断って自力で起き上がって又ダッシュ!
出発には間に合った。

その日は何もなく帰宅して次の朝、あれ?どうしたのか脚が痛い。
脚と言ってもお尻の方が近い。
何が原因かわからなくてしばらく考えた。
ああ、そうだ、階段でコケたからね。
その日もそれほど痛くはなかった。
ところが夕方散歩に出て10分くらい歩いた所で、痛みが強くなってきた。
いつもの公園をぐるっとひと回りすると、だいたい30分くらい、その後商店街に行って買い物をして帰宅すると、だいたい1時間ほどになる。
それが日課のようになっている。
ところが公園の半ばですでに痛みが出たのでどうしようかと思ったけれど、無駄に我慢強いところがあって、ええい!我慢我慢。

最後の10分くらいは時々休まないと歩けなくなった。
次の日も我慢して歩くと絶えられないほどの痛み。
すごすご帰宅。
次の日又その次の日は家でおとなしくじっとしていた。
動かなければ痛みは薄らいでいく。

痛みが軽減したところでようやくホッとして、明日からのスキーはまあ、大丈夫だろうと思ったけれど、今朝又やってしまった。
わが家の北側に先週降った雪が残っていて、誰かが滑ると危ないと思ってスコップで陽の当たる東側に移していた。
やってみると案外簡単に雪が掬えるので、調子に乗って大きめの雪をガサッと持ち上げて体をひねった途端、ズキリときた。
シマッタ!

私の人生で今までどれだけのシマッタ!を言ったことか。
シマッタの数で地球7周分くらいになりそう。
考える前に走り出すのはどこの国の人でしたっけ?
走ってから考えるのではなくて、走っても考えないのは誰?
これは慌てた。
今まで治ると思っていたから使わなかった湿布薬をべたりと貼って、歩かないようにしている。
初日のスキーは休み、ワインを飲んで遊ぼう。

ホテルでは高価なものを除いて、終日飲み放題。
食事もお菓子も食べ放題。
危険極まりない生活をこれから4日間、体重が増えたら膝や腰に負担がかかる。
困ったことになった。

以前行った時に、雪の積もった広場でゴムボートを車で引いてもらって遊んだけれど、お尻が痛くてはそれも出来ない。
そのコースはけっこうアップダウンが激しくて、上下に揺れる。
下り坂でお尻を打ったら悲鳴が上がる。
プールに行っても泳げないかもしれない。
劇場で寸劇や歌や踊りが見られるからそこで暇つぶしかな。
おとなしく本を読むか。
2冊荷物に追加した。


























2018年1月27日土曜日

入居者募集中

優良物件

1戸建て、ワンルーム。

ベッド数2個、1個に暖房設備あり。
扇風機もついている。
LEDランプ付き、広さは何名でも充分だけど、皆さんなぜか1名ずつ泊まりに来る。
住宅の中は2段式の棚。
複数でも広々使えます。
敷金礼金家賃なし、朝食付き。
難を言えば、スチール製なので寒暖の影響が激しい。
ドアは開け放してあるので隙間風ひゅうひゅう。
ただし、車の陰なのでひと目につきにくく、隠れ家としてはもってこい。

こんな良い条件で今まで常に入居者が絶えなかったのに、最近朝食はなくなるものの暖房付きベッドには誰も寝た形跡がない。
野良達どうしたのだろうか。
今年は例年に増して寒さが厳しい。
皆元気なのかしら。
とても心配しているけれど、飼い猫と思われる太ったトラ模様が1匹、ニャアと言って朝食時に現れるのみ。
アンタはお家で食べなさい。
そんなに太っているのだから、野良の分まで食べるんじゃない。

常連さんのミケもすっかり毛艶が悪くなって、最近はぱったり姿を見せない。
まさか・・・・とは思うものの・・・ドキドキ・・・
去年川を隔てたアパートに大量の猫が産まれた。
まさに10匹越え。
沢山居る時数えたら20匹近い。
1階の部屋のドアが時々開け放されて、大量の猫が餌を食べたりのんびり日光浴をしたりじゃれたり。
それはとても可愛いけれど、近所の人はたまったものじゃない。
可愛がられていると見えて、皆落ち着いている。

通りすがりにチラッと中を見ると、普通に人が住んでいる気配はなくて、三和土に餌用のお皿が散乱している。
ここ1部屋猫用なのかしら。
それでも傘が干してあったり、時々男性が出入りしているからたぶん飼い主。
そこで産まれたホルスタイン模様の若猫たちが、時々橋を渡って来ているようだ。

猫も年を取ってくると若いものに押され気味。
それでテリトリーを荒らされているのかもしれない。
1度、茶トラの可愛い子猫が現れたので、しめた!手懐けて飼ってしまおうと思ったら、すぐに来なくなった。
野良社会の厳しい掟は中々破れないのだろう。

そんなわけで今私の貸し部屋は空いていますよ。
近所の猫さんたちの口コミでなんとか入居者を見つけて頂きたい。
オス猫は今頃メスを求めて寒風の中、さまよっているかもしれない。
春になると又大量の子猫が産まれてくる。
その全部がちゃんと育つわけではないから、なるべく不妊手術をしてやってほしい。
不幸な子が沢山出ないように。

2階は私の住居で猫1匹。
3階は人が3人と猫2匹。
だから1階にも猫がいないとバランスがとれない。
もっと暖かい場所があって、そこでヌクヌクしているのだったら良いけれど。
野良サン達苦労していないかなあ。

















2018年1月26日金曜日

身支度

スキー場に荷物を送りに行ったら、ヤマトのスタッフから、プレー日までに届けられる保証はないと言われてしまった。
もう少し早めに出すつもりでいたのに、私は明日にまわせるものは今日やらなくても良いという性格なので、呑気に構えていた。
それでも流石にこの猛烈な寒気で雪の量が半端ないというので、多少危機感を持って予定よりも一日早く出しに行った。
ヤマトさんに集荷を頼んでいたけれど、取りに来るのが夕方だというので一刻も早くと思い、朝自分で持っていった。

いつも頼んでいるお蕎麦が予約の一日遅れで到着。
昼ごはんはお蕎麦の予定が狂ってしまった。
それほど荷物がたまっているのかもしれない。

板のほうはスキーのメンテナンス業者から直接ホテルに送られて、無事到着。
ウエアやヘルメットなどが届かなければレンタルという手もあるけれど、私は小柄だからサイズが合わないかもしれない。
ストックが壊れたので近所のスポーツショップに行った。
サイズ合わせをしてもらったらジュニア用で良いというから、買ってきた。
ところが家でグラブをはめてホルダーの紐に手を通すと、紐が短くてストックの握りが握れない事が判明。
慌ててサイズ交換に走った。

やはり丈は短くても横幅は立派な大人。
手袋は二重構造でインナーと外側が分離できるので、その分厚みがしっかりある。
これではジュニア用の短い紐では通らない。

働いているからこそ遊びが面白いのだと最近の実感。
それに退屈でたまらないから、そろそろなにか考えないといけない。
仕事はやめないほうが良いですよと忠告してくれた人も居たけれど、とにかく自由になりたくて放り出してしまった。
最近、仕事の依頼があった。
どうしても弾いてほしいと言われて少しその気になって、カレンダーを見たらスキーの予定。
しばらく考えたけれど、仕事を断念した。
もう世間様に仕事はしないと宣言したことだし。
仕事に行ったら行ったで、せっかくのスキーをやめたと言ってブウたれるのは目にみえている。
スキーに行けば仕事が取れなかったと、仕事をしていればそのために遊べないと愚痴を言う。
どちらにしても超ワガママなのは猫の性格だから、いたしかたがない。

演奏の仕事は現場に居なければ絶対にお金はもらえない。
残業とか次の日に回すとかは出来ない。
エキストラを入れてしまうようでは信用に関わる。
だからフリーといってもぜんぜん自由ではない。
自由なのは仕事の依頼が来た時に引き受けるか受けないか、本人次第。
しかし、1度断れば2度めがあるとは限らない。
それで無理してでも引き受けることになる。
去年は好きなことだけやって張り切りすぎてえらく疲れた。
今年はペースダウンして休息の年にしようかと。
果たしてどこまで我慢できるかしら。

スキー場に荷物が届かないという時のために、水着を手荷物に入れた。
スキューバダイビングをやめてから水にはとんとご無沙汰している。
ダイビングのライセンスを取る時に、ボンベを背負って100メートル泳がされたことがある。
私はそれまで50メートルがせいぜいだったので、これは大変だった。
最後の数メートルは死にそうだった。
水の中にいるとゆらゆらしてリラックスできる。
けれどプールはたまに変なおじさんがいるから嫌い。
かと言って自宅にプールがあるような豪邸には住めそうもない。
やれやれ先立つものは何と言ってもお金ですなあ。


















2018年1月24日水曜日

スキーシーズン

本白根山の噴火の様子をテレビで見たけれど、怖しい。
テレビのスタッフが偶々白根山の撮影でゴンドラに乗っていたところに、噴火が起きて噴石が飛んできた。
ゴンゴンと石の当たる音や噴煙に包まれて真っ暗になる映像は、現場に居たらどれほど怖かったかと思いやられた。

草津スキー場は随分前に一度行ったことがあって、家族向けのとても良いスキー場だった。
私が滑れないほどの急斜面もなく、長い距離を一気に滑れる。
何よりも温泉が良かった。
地元の人が入る温泉があって、そこで湯婆々みたいな人が采配を振るっていた。
まず、かけ湯をしてからそこに座りなさい。
洗い場まで指定される。
お湯の入り方はどうのこうの。
あがったらちゃんと汗がひいてから着なさい・・・等々

こういうのを嫌がる人も居るかもしれないけれど、私は面白がって言うことを聞いた。
家族のおばあちゃんに言われているみたいで楽しかった。
それに何と言ってもお湯が良かった。
初めて温泉にも質の良し悪しがあることを知った。
草津は私が行った温泉の中でもピカイチだった。

訓練のために現場にいた自衛隊の隊員の方は、本当に運が悪かった。
お気の毒で言葉も出ない。
たまたま飛んできた石に当たってのことと思うけれど、日本を守るために自衛隊に入ってこのようなことで命を落とすなんて。
ご家族や同僚の無念が忍ばれる。

今週末から私も北海道へスキーに出掛ける。
帯広空港からバスでサホロリゾートへ。
サホロのクラブメッドのホテルで4日間、楽しみにしているけれど、スキーは大自然と向き合うので今まで多少危ない目にもあっている。

2,3年前に行った志賀高原。
夕暮れに一人でこっそりコブの急斜面に入った。
他の人がいると気を使うから内緒で。
滑り始めて、しまったと思った。
このゲレンデは以前はしっかり圧雪されていたので、夕方になるとテカテカに凍って良く滑った。
最近は経費節約か、雪の量が多すぎてか、あまり圧雪されていない。
こういうボタボタ雪は私の脚力では手(足)に負えない。
ゲレンデは閑散としているから好きなように行けばいいとおもったけれど、3分の1ほど降りたところで雪だまりにスキーの先が入ってびくとも動かない。
抜くことも進むことも出来ない。足首が変なふうにねじれてこのまま引くと捻挫するから動くわけにはいかない。
ビンディングを外すことも出来ない。
偶々一人滑り降りてきた人に声をかけたけれど、気がついてもらえない。
ああ、夕飯に間に合わない!
こんな時にもご飯のことが気になるなんて。
仕方がない、そのうち気が付いて誰か迎えに来てくれるさと思った時、又一人救世主現る!!
大声で呼びかけるとやっと気がついてもらえてスキーを引き抜いてもらった。
地獄に仏とはこのこと。
やっとホテルに帰って話すと、仲間はなにも言わないけれど非難の眼差し。

菅平スキー場では、ウェーデルンの練習中。
調子に乗って滑っていたら、木の根元の穴に突っ込んで出られない。
仲間がすぐそばを滑っていくのに誰も気が付かない。
いくら叫んでもゲレンデの両サイドが緩やかに落ちているので、ひと目につかない。
大声で喚いてやっと通りすがりの人に引き抜いてもらった。
天神平スキー場のコブの下で転んだら、私の顔の上を通った人がいた。
口の周りが切れた。

普段口では威勢のいいことを言うからずいぶん無鉄砲だと思われがちだけれど、本来非常に臆病者。
君子危うきに近寄らずを決め込んでいる。
君子でもないのに。
今まで無事にこられたのは、決して怪我をしてはいけないと言う配慮から絶対に無理をしなかったから。
天候が悪ければ即中止。
体調が悪ければ宿で休息。
急斜面では安全を優先に、どれほど格好が悪くても1番安全な方法で降りる。

カナダのカルガリースキー場では午前中3本滑ったらおしまい。
もっともあちらの1本は日本のリフトの3倍くらいの距離。
ガイドさんが「わざわざカナダまできて3本ですか」と呆れていたけれど、次の日になったら「こういうのもいいですねえ」と共感してきた。
ガツガツ滑るだけが能じゃない。
その時のこと、山々に谺する鈍い爆発音。
「あれ、なんの音かわかりますか」とガイドさん。
「あれはダイナマイトで雪崩を起こしているのです」
カナダはスケールが違う。
もし日本のゲレンデであんなことをしたら、麓の街まで巻き込まれてしまう。

谺で思い出した句。
   谺して 山ほととぎす ほしいまま  久女 

去年サホロで私達の仲間が立ち往生して、スノーモービルで迎えにきてもらったらしい。
彼女はベテランだけれど、高年齡で足腰がきかなくなってしまった。
私も10年後にはそうなるのは必至だから、そろそろ覚悟決めないと。
それにしても我がクラブの会長恐るべし。
彼はもう米寿に近いのに、未だに誰よりも早い。
















2018年1月23日火曜日

雪で雑談

初めて札幌に行ったのは真冬。
公園に行ったら雪まつりの準備の真っ最中だった。
どうやってあんなに大きな像を作るのかと思ったら、雪を運んできてブロック状のものを積み上げてそこに水を撒いて氷らせる。
表面がピカピカになって仕上げにかかる、とまあ、こんな具合らしい。
私が行ったときには夕方で、作業が終わっていたから詳しくはわからない。

札幌の繁華街に繰り出すと驚いたことに、薄いコートを着て帽子をかぶりストッキングとハイヒールの女性がスタスタと交差点を渡っていった。
目が点になった。
私はといえばブクブクに重ね着をして毛糸の帽子、底がぺったんこのスニーカー。
それにすべり止めの金具を取り付けて恐る恐る摺足で歩く。
能役者ではないけれど。
ここで鼓をポン!なんて鳴らされたらスッテーンと転びそう。

女性がおしゃれなのが札幌人とみた。
その後、薄野近くの木彫りのお店に立ち寄ったら、店の名が私の名前と同じ。
誰の名前か訊いたらオーナーの女性だとのこと。
彼女は店に居なくて、木彫りの職人さんが居酒屋に行ってご馳走してくれた。
大した買い物をしていないのに、これはどうしたことか。
一応断ったんですが・・・
一緒にいたチェロとヴァイオリンの女性たちに特別美人はいなかったし、そうか、場所が狸小路だったから私がシンボル的存在?
その職人さん、大きな人でマントを着て高下駄はいて、ずんずん歩く。
一種の変人だったのかもしれない。
私たちは訳がわからず、戸惑いながら従いていった。
なにが気に入ってくれたのかは謎???

昨日夜中まで雪かきをしていたお隣のご主人。
10年ほど前、雪道でころんだ女性を助けたら自分が転倒して脳震盪を起こし、病院行きとなったと言う。
その女性は雪道でゆるい傾斜の下り坂を「こ~んなに高いハイヒールで歩いていたんだから」とご主人。
指で10センチ程の高さを示した。
「本当に迷惑だよね」と。
その女性も会社に行くのにハイヒールが履きたかったら、靴を別に持っていけばよかったのではないかと思うけれど。
ニューヨーカーがハドソン川?をスケートで通勤、会社に着くと靴を履き替えるとか聞いたことがある。
これは格好いいなあ。
















雪かき

昨日朝からちらほら雪の気配。
雪が降る時は、いつもの日とは雰囲気が違う。
重く垂れ込めた雲が冷気を孕んで、やっとのことで上空に留まっている感じがする。
一つきっかけがあればすぐにでも雲は雪に変わって落ちてくる。
朝のうちに買い物を済ませてゆっくり歩きながら時々上を見上げると、降り始めてしまえばそこには軽やかな雪の乱舞。
冷たい風が心地よい。

この風を受けると私は急に元気になる。
やっと本格的な冬到来。
家に帰って時々窓の外を眺めるとどんどん降り積もって、見ているうちにどこもかしこも真っ白。
雪はどんな汚いものも無垢にしてしまう魔法のようなもの。
この雪を自分の内に入れたら、私も心が綺麗になるかしら。
雪の降る間も雀さんたちがベランダに飛んでくる。
彼らは羽毛で武装しているから、少しも寒そうではない。
野良猫たちはどうしているのかなあ。

夕飯が終わって外を覗くと、かなりの積雪。
今のうちに雪かきをしておかないと、明日の朝は玄関が凍ってしまうと思った。
スキーのヤッケとグラブ、キャスケットをかぶり足元は深い編上げのアウトドア用の靴。
何をするにも大げさな気がしたけれど、仕事は雰囲気から入らないとね。

毎年雪かきはするけれど、実を言えばしないほうが良い。
何故かと言うと、たいてい次の日は晴天で、お天道様がゆっくり溶かしてくれる。
それまで待ったほうが良いのに、嬉しくなってつい雪かきをする。
かなり強く降っているので、掻いたそばからすぐに降り積もっていく。
お向かいのご夫婦も出てきて、あちらは夜中まで楽しそうに働いていた。
私はすぐにイヤになるので、途中で諦めて、面白い雪遊びをやめた。
時々近所の人が出てきて、子供がはしゃいでいる。
そのうち若い女性が何度も行ったり来たりして、雪の中を走っている。
これはなんなんだろう。
雪道のマラソンのトレーニング?それとも単に嬉しいから?

数年前の大雪のときには、スキーの板を担いで嬉しそうに歩いて来る男性を見かけた。
「あら、スキーですか、どこで滑るの?」と訊くと「動物公園の坂道で」と答えた。
近所に小さな動物公園がある。
小高い丘の上にあって、レッサーパンダや輪尾狐猿など小さな動物がいる。
そこのスロープはなるほど丁度いいゲレンデになる。

雪国の人に言わせれば、雪なんか珍しくも降られて嬉しくもない。
都会の人にとってはワクワクすると同時に甚だ迷惑なこと。
電車は遅れ道路は渋滞。
今朝のニュースはその話でもちきり。
昼ころにはかなり日差しが強くなって、交通渋滞も解消したのだろうか。
毎年雪の季節に知らされる混乱の様子には、少しうんざり。
最近の天気予報はよくあたる。
わかっているなら、事前に対策はいくらでも出来ように。

今朝は珍しく寝坊をした。
目が醒めると明るい。
いつもは日が登る前には起きているからこれはどうした異変かと考えたら、雪かきが私にとっては重労働だったらしい。
たぶんやりなれないことをやって疲れたのかも。
たまには体を動かしてみるのも悪くない。
私は体を動かすよりも頭で考えている方が好きで、それもろくでもないことばかりだから、しょうもない。

今朝仕上げの雪かきをしていたら、通る人がお礼を言ってくれる。
「ありがとうございます」「いいえ、お気を付けて」なんて会話が。
そして昼ころには日差しのあるところはすっかり溶けてしまった。
別にしなくても良いけれど、時々近所の人と交流できるのも雪のおかげかな。



























2018年1月20日土曜日

華のある人

今日やってきたのは以前教えていた女性。
私が13年前にリサイタルをした時に聴きに来て、それ以来会うことはなかった。
つい数日前、電話がかかってきた。
明るい声で「Fです」と名乗る。
声ですぐに分かった。

最近は年賀状のやり取りのみの付き合いだったが、元気にしていると思っていた。
ある時結婚式の素敵な写真付きの年賀状。
まあ、綺麗!
でも、電話でしばらく話していたら「私離婚しました」
そうなんだ、なにが彼女にあったのか。
口調はどうも嬉しそうで、どういう経緯かは知らないが、めでたく離婚?

男性が、パワハラ、モラハラ、マザコン。
女性も自立してきたから、わりと簡単に離婚が出来る世の中になった。
昼過ぎニコニコと現れたのは、ほんの少し大人っぽくなった彼女。
一別以来、ほとんど年をとっていないような雰囲気で。
教えていた頃はまだ高校生だったからお嬢さんだったけれど、今はキャリアウーマン。
小顔で、スラリとした手足。
ヴァイオリンを背負ってきた。

よし、今日は一緒に飲もう!
ちょっとしたツマミを用意しておいたので、ワインを開けて乾杯!

タコとかぼちゃ、大根のカルパッチョ風。
スモークサーモン、生ハム、玉ねぎ、柿の前菜。
ローストビーフと生野菜。
アボカドとクリームチーズのペーストにナッツをトッピング。
去年の11月に解禁のボジョレーヌーボー。
甘いワインが好きというのでドイツの白ワイン。
ゴマとレーズンのパン2種。
冷蔵庫にあるものを寄せ集めたらこうなった。

飲みながら話していると、彼女が高校の文化祭で弦楽アンサンブルの指揮をしたことに及んだ。
Fさんともう一人、彼女の同級生のKさんにヴァイオリンを教えていた。
KさんはFさんより大柄で、目がぱっちりとしたひときわ目立つ美人だった。
それに比べてFさんは、美人ではあるけれど、ほっそりとして地味な感じ。
2人とも文化祭の花形で、交代で指揮をした。
その日私は彼女たちの高校へ行って、二人の登場ををワクワクしながら待っていた。
意外なことに、近くで見ると断然Kさんの方が目立つのに、ステージで見るFさんはそれ以上に輝いていた。
細身の彼女が大きく見えた。

私はテレビやステージの仕事が多かったので、こういう場面に度々遭遇している。
女優Nさんはカメラテストの時の素顔はなんとも生気がないのに、レンズを通すとすごくきれいなのに驚いたことがあった。
越路吹雪さんがリハーサルのときと本番では、まるで別人だったことも体験している。
華のある人というのは内部から光を放つものだと思った。
姿とか顔だけでなく、全身から発するエネルギーがオーラとなって見る人を魅了する。

Fさんのヴァイオリンは随分使っていなかったわりには、綺麗に保存されていた。
ただ最近の乾燥で弦を巻く糸巻きが緩んでしまって、音が下がる。
調弦が難しいので専門家の手入れが必要。
楽器を持ってきて「離婚したので、これからは自分の好きなことをします」と言うから又ヴァイオリンを弾いてくれるかと期待している。
教える側からすれば、せっかくこんな魅力的な楽器に出会ったのだから、生涯どんな形でもいいから弾き続けてほしいと願う。