2018年1月23日火曜日

雪かき

昨日朝からちらほら雪の気配。
雪が降る時は、いつもの日とは雰囲気が違う。
重く垂れ込めた雲が冷気を孕んで、やっとのことで上空に留まっている感じがする。
一つきっかけがあればすぐにでも雲は雪に変わって落ちてくる。
朝のうちに買い物を済ませてゆっくり歩きながら時々上を見上げると、降り始めてしまえばそこには軽やかな雪の乱舞。
冷たい風が心地よい。

この風を受けると私は急に元気になる。
やっと本格的な冬到来。
家に帰って時々窓の外を眺めるとどんどん降り積もって、見ているうちにどこもかしこも真っ白。
雪はどんな汚いものも無垢にしてしまう魔法のようなもの。
この雪を自分の内に入れたら、私も心が綺麗になるかしら。
雪の降る間も雀さんたちがベランダに飛んでくる。
彼らは羽毛で武装しているから、少しも寒そうではない。
野良猫たちはどうしているのかなあ。

夕飯が終わって外を覗くと、かなりの積雪。
今のうちに雪かきをしておかないと、明日の朝は玄関が凍ってしまうと思った。
スキーのヤッケとグラブ、キャスケットをかぶり足元は深い編上げのアウトドア用の靴。
何をするにも大げさな気がしたけれど、仕事は雰囲気から入らないとね。

毎年雪かきはするけれど、実を言えばしないほうが良い。
何故かと言うと、たいてい次の日は晴天で、お天道様がゆっくり溶かしてくれる。
それまで待ったほうが良いのに、嬉しくなってつい雪かきをする。
かなり強く降っているので、掻いたそばからすぐに降り積もっていく。
お向かいのご夫婦も出てきて、あちらは夜中まで楽しそうに働いていた。
私はすぐにイヤになるので、途中で諦めて、面白い雪遊びをやめた。
時々近所の人が出てきて、子供がはしゃいでいる。
そのうち若い女性が何度も行ったり来たりして、雪の中を走っている。
これはなんなんだろう。
雪道のマラソンのトレーニング?それとも単に嬉しいから?

数年前の大雪のときには、スキーの板を担いで嬉しそうに歩いて来る男性を見かけた。
「あら、スキーですか、どこで滑るの?」と訊くと「動物公園の坂道で」と答えた。
近所に小さな動物公園がある。
小高い丘の上にあって、レッサーパンダや輪尾狐猿など小さな動物がいる。
そこのスロープはなるほど丁度いいゲレンデになる。

雪国の人に言わせれば、雪なんか珍しくも降られて嬉しくもない。
都会の人にとってはワクワクすると同時に甚だ迷惑なこと。
電車は遅れ道路は渋滞。
今朝のニュースはその話でもちきり。
昼ころにはかなり日差しが強くなって、交通渋滞も解消したのだろうか。
毎年雪の季節に知らされる混乱の様子には、少しうんざり。
最近の天気予報はよくあたる。
わかっているなら、事前に対策はいくらでも出来ように。

今朝は珍しく寝坊をした。
目が醒めると明るい。
いつもは日が登る前には起きているからこれはどうした異変かと考えたら、雪かきが私にとっては重労働だったらしい。
たぶんやりなれないことをやって疲れたのかも。
たまには体を動かしてみるのも悪くない。
私は体を動かすよりも頭で考えている方が好きで、それもろくでもないことばかりだから、しょうもない。

今朝仕上げの雪かきをしていたら、通る人がお礼を言ってくれる。
「ありがとうございます」「いいえ、お気を付けて」なんて会話が。
そして昼ころには日差しのあるところはすっかり溶けてしまった。
別にしなくても良いけれど、時々近所の人と交流できるのも雪のおかげかな。



























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