2018年1月11日木曜日

視点

駅で電車待ち。
隣の背の高い人が急に膝を曲げて、私と同じ位の高さになった。
「ふーん、世の中こう見えるのか」
そうか、彼の見る景色と私の見る景色は違うんだ。
笑った。
あいにく私は彼の高さには行けないから、彼の視界はわからない。
猫の視点になってごらんと言いたかったけれど、言うと本当にやりかねない人だからぐっとこらえた。
私の家に来た人が「冷蔵庫の上汚れてますよ」
私には冷蔵庫の上は見えないから、気にしたことはなかったけど。

去年、猫の視点で撮影された映画が公開された。
名前を思い出せないけれど、確かトルコの映画。
カメラは地面を舐めるように這っていくらしい。
カメラマンはどうやって撮影したのかな?
キャスター付きの板の上に腹ばいになってかもしれない。
見たかったのでチェックしておいたけれど、あっという間に日が過ぎてしまった。
どこかで上映されていないかなあ。
ご存じの方はいらっしゃいませんか?

トルコに行った時驚いたのは、どこにでも猫がいて日本の猫のように人を警戒しないこと。
繁華街のお店の前でゆったりと寛いでいる。
トルコの男たちは大きな髭を生やしている人が多い。
その大きな男たちが身をかがめてそっと猫の頭をなでていく。
見ていると撫でるのは男性が多い。
これには感動した。
緩やかに下る坂道の先に青く光る海。
猫を可愛がる人々。
素敵な国だなあと思っているけれど、頻繁に政治的なあるいは宗教的な争いが聞こえてくる。
駄目なのは人間なのだ。

ある時友人と並んでおしゃべりをしながら歩いていた。
私が話している時に友人がまっすぐ前を向きながら無表情に「チ~ビ」
口を動かさないように言った。
本人は声を出さないで言ったつもり?
たぶん私に聞こえないように言ったつもりだと思うけれど、どっこい私は地獄耳。
小さい音もよく拾う。
聞こえましたよ。
ほんとにチビだから、チビと呼ばれることには抵抗感はない。
正面切って言われたら全く意に介さなかったと思う。
けれど、こんな風に言うような人とは思わなかったから、心底がっかりした。
ほう!バカにされていたのかあ、私は彼女のためにずいぶん色々心配していたのになあと。

以前背の高い男性に背の高いお嬢さんを紹介したことがあって、結局この話は男性側から断ってきた。
男性の言い分は「僕はnekotamaさんみたいな小さい女性が好きなんです」
ほらね、世の中には物好きがわんさかいるのよ。

美人で頭が良くて、なにをやらせても優秀で。
その人の心の闇を見て(聞いて)しまった。
ご両親の掌中の珠、きっちりと教育されてどこへ出しても恥ずかしくない様に躾けられたに違いない。
けれど、それが反対に彼女を囲い込んでいるのでは?
外見から作り上げた人格を、日常的に保っていないといけない。
いつでも良い子やっていたら中は欲求不満の坩堝。
ちょっと気の毒だと思う。

どこかではけ口がないと壊れないかと心配になる。
彼女の視点は外側にあって、自分の人格を外側から作り上げているのだろう。
こうであらねばという枠にきっちりと自分を嵌め込んでいるのかも。
あるいは親御さんの理想の具体化かも。
けれど、人間は内側から作り上げていかないと、メッキが剥がれる。
剥がれた時のガッカリ感は半端ない。
和音を作るときも同じ。
一番下から徐々に積み重ねないと崩壊する。
音楽も同じ。

























2 件のコメント:

  1. うちの相方、ときどき小声で「ブス」、と言います。くやしがってる小学生みたい。それで「このハゲー!」とやり返したいところですが、それはちょっとキツイので、「このハ・・・」で止めております。
    なんとなく、年とると男性って皆マザコンになるんじゃなかろうか、と思う今日この頃。 
    (´д`)

    返信削除
  2. 木の葉?うふふ。
    はっきり言ってイヤじゃないんですが、本当にチビだからね、時々可愛いって言ってくれる人もいるし、荷物の上げ下ろしは手伝ってもらえるし。でもね、いかにもだったからちょっとね。
    nyarcilさまは優しい!ジュニアくんのだけでなく相方さまの母親にもなってしまうなんて。
    私なら捨児しますにゃ。

    返信削除