2015年12月10日木曜日

今日も練習

ロンドンアンサンブルのメンバーが九州佐賀の公演を終えて、羽田に帰ってくると言うので迎えに行った。
羽田空港はホンの数年前まで毎月のように飛行機で仕事に行くために利用していた。
このところ何にも用事は無く、久しぶりに出かけたので、多少様子が分からなくなっている。
道がどんどん新しく出来るので油断がならない。
入り組んだ立体交差などを1本間違えると、ほかのエリアにはいりこんでしまう。
それでも無事に彼らと会えて、私のボロ車に3人のでかいイギリス人を乗せると、荷物と人間で身動きとれないほどになった。
私のバカさ加減が遺憾なく発揮されたのは、夏の買い物用にトランクに入れてあったクーラーボックスを片付けていなかったこと。
これだけの荷物を載せることは分かっていたのに、トランクの点検をしなかったために、トランクにでんと置いてあったクーラーボックスがじゃまで、危うく荷物が全部のりきれないかと思えた。
タマーシュの必死の作業でトランクに荷物が収まったときには、皆で歓声をあげて拍手をした。

今年はヴィオラのパートがあるので、タマーシュの奥さんのジェニファがヴィオリストとして同行している。
ジェニが帰ってしまうと私の出番というわけ。

今日の練習は私たち小田原組。
チェロ無しの下稽古をしておいたお陰でスムーズに流れ、チェロが入ると一層弾きやすくなった。

トーマスのチェロのものすごさは、我が家が揺れ動くほどの振動。
圧巻はドヴォルザークの「チェロ協奏曲」で、息もつかせない迫力でグイグイと迫って来る。
聞き惚れて落ちそうになる。

練習の後にタマーシュがやってきて、私の元生徒が彼のレッスンを受けた。
彼女は今大学院の1年生。
曲はサンサーンスの「ヴァイオリン協奏曲」
学内のコンクールで本選に残り入賞したという。
毎回聴くたびに、上手くなっているのは喜ばしいけれど、若さゆえの弾きまくりが少しうるさい。
同じパッセージをタマーシュが弾くと、蕩けるような音とニュアンスで、やはりまだまだ彼女は修行が足りない。
タマーシュに言わせると、彼女は才能がある。
言えばすぐに反応する、言っても反応出来ない人が多いので、見所はあるそうだ。
良かった!
即席でピアノ伴奏を付けたのはトーマス。
彼はチェリスト、指揮者の二つの顔を持っているけれど、ピアノも大変上手い。
素晴らしい伴奏が入って、生徒の顔は幸せそうに輝いた。

終ってから一緒に軽く食事をして、これからまだ21時に練習の合わせがあると言って、あたふたと出て行った。
池袋まで合わせにいくそうで、そんなことも若い頃は少しも苦にならなかったことを思い出した。
むしろ、動き回っているのが楽しくて仕方がなかった。
私も夜討ち朝駆け、早朝から深夜まで良く練習したものだった。
体力も気力も充実している若いうちなら、苦労を苦労と思わない。

彼女が帰ってしまうと、そこからは大人の時間・・・とはならず、みんな子供みたいに冗談が飛び交い・・・と言っても英語が聞き取れない私は、キョトンとしていることの方が多いけれど。
なんやかんや、貧しさとか練習の厳しさ、本番の緊張と戦いながらも、私たちは本当に幸せなのかも知れない。

タマーシュ、ジェニファ組は13日(日)東京文化会館 14日(月)横浜美術館
志帆、nekotama組は15日(火)小田原市民会館です。
ピアノ、フルート、チェロは変わらず。
どうぞよろしく
















0 件のコメント:

コメントを投稿