2015年12月19日土曜日

ピアニストは挫折しそう

忘年会コンサートのための、オペラアリアの伴奏を引き受けた。
数十年ぶりのピアノ。
時々うちで生徒のために伴奏することはあっても、伴奏していると言うよりも邪魔をしているというか。
相手が先生だから生徒の方は文句も言えず、じっと耐えている。
うるさいなあ、私で練習しないでよね、とか思っているかもしれない。

アリアの伴奏は、何回練習してもミスタッチが多くて、自分の出した音にビックリして、先に進めなくなる。
これはもう諦めるべきかと思うけれど、まあ、最後まで頑張ってみよう。
本番の3日前に練習の約束をした。
伯爵夫人(もちろん役の上の)からメールが来て、練習日を指定されてOKを出しておいたのに、皆に伝わっていなかったらしい。
練習日に使わせてもらうはずのスタジオの持ち主から、ビックリ仰天したらしいメールが届いた。
私お約束していました?とかなんとか。

それにはこちらがビックリして、どうなってるの?
しばらくしたらメールが来て、私のOKを取り付けた人が、全員にそのことを伝えるのを忘れていたらしい。
私はその日、練習時間に合わせて美容院の予約をしていたので、一つスケジュールが狂うと全部ちぐはぐになってしまう。

結局予定を変更してもらったりして、全員が都合をあわせたけれど。
この先こういうことが、多くなっていくと思う。
皆危うくなってきた。
これから先はこんな事ばかり続くと思う。

私の所属している「古典音楽協会」というバロック演奏団体の平均年齢はずいぶん高いので、そのうち、まだ弾いていないのに「私はもうこの曲は弾きましたよ」とか「繰り返しはしましたっけ?」とか言い出しかねないと、皆で笑い合っている。
仲が良くて誰もやめないので一緒に歳をとってしまうから、平均年齢が若くなるという希望は持てない。
そろそろ危ないと言い始めてから、もう数十年。
今のところ、まだ大丈夫・・・だと当人達は思っている。

本当は間違えているのに、自分たちで気がつかないだけだったりするかも。

先日我が家で、ロンドンアンサンブルのヴァイオリンのタマーシュが、私の生徒にレッスンをしてくれた。
その時ヒマだったチェロのトーマスが、サンサーンス「ヴァイオリン協奏曲」のピアノ伴奏をしてくれて、あまりの上手さに皆びっくりした。
私のピアノとは雲泥の差!
初見?それでいて、生徒がニュアンスを出して少し緩めたり早めたり、そんな時にも完璧につけていく。
伴奏が全く煩くない。
生徒はこんな大物に伴奏をしてもらって、本当に幸せそうだった。
彼はヨーロッパで指揮者としても活躍中。

しかし指揮をすると、あの素晴らしいチェロの演奏がその分減ってしまうのは、惜しい。
もう1人クローン人間を作って、共演してくれれば嬉しい。




















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