2016年1月30日土曜日

親しみのある風景

天気予報によれば、昨夜から雪。
昨日は冷たい雨の中を、246号線で厚木方面へ。

約束の時間より早く着いたので、大きなスーパーに車を停めて、町を見学に出かけた。
雪の予報にしてはかなり暖かい。
私の勘では、雪は降りそうも無いと思ったけれど、公共施設の庭に雪だまりがある。
これは先だっての雪の名残だろうか。
同じ県内でも私の家の近辺は、ほぼその日に雪は溶けてしまったのに、この辺はまだ残っているという事は、気温がそれだけ低いのかも知れない。
駅近くに行っても取り立てて賑やかにもならず、小さな駅はホームに人が少ない。
個人商店が建ち並んで、歩く人もゆったりとしている。

我が家の最寄り駅も、何年か前まではこんな具合だった。
けれど隣の駅近くは、工場跡地を再開発して高層マンションが建ち並び始め、人口が一気に数万人増えるということで、急激な発展をした。
そのあおりを食って、我が最寄り駅も、なにか落ち着きの無い町に変貌した。
関西系の飲食店が多くなり、ついにガールズバーなんてものまで出来て、あれよあれよという間に歓楽街のようになった。
それも中途半端な資本なのか貧相なお店が多く、どの飲食店も一度入っても二度目はないという程度の味。
これなら以前の個人商店の方がよほど良かった。

同じ沿線のほかの駅は高級住宅街が多いのに、うちの最寄り駅はこの沿線でも谷間のようなところで、人は多いのに買い物はつつましいといったところだった。
貸店舗では日替わりで安いバッグや下着などの出店があり、あまりの安さに私の友人達が遊びに来ると、目の色を変えて買い物をしていった。
田園調布に住んでいた友人が、野菜を仕入れて、楽器と一緒に持ち帰ったのには笑った。
その格好で田園調布の素敵なお家に帰っていくの?

傘や下駄を売っている店があまりにも流行らないので、気の毒だから傘を買ったら、折り目のところが変色していた。
ずいぶん長い間売れなかったのか、その折り目の変色は洗ってもこすっても取れない。
それでも返品するのは気の毒で、返しに行けなかった。
そのお店はいち早く他資本に飲み込まれ飲食店になったけれど、その店も駅の目と鼻の先なのに流行らない。
向かいの飲み屋も中華も同様。
頑張っているのは数十年続いている、小さなお総菜やさん。
他のお店が建つ度に、あの店はもう飲み込まれて潰れてしまうだろうと思っていると、潰れるのは新しい方の店。
素材も料理の腕も中途半端な店では、客の入りも良くないのは当たり前。
そんなつまらない町になってしまった。

それに比べて、昨日行ったのんびりとした雰囲気の駅周辺は、そこに生活している店の人達の生活感も伝わってくる。
小さいながら、必要な物は揃っているという感じで、住みやすそうな。
今は地方の主要都市は、もうこんな雰囲気ではない。

先年青森に行ったら、すっかり綺麗になってしまって、都内の駅の周辺とたいして変わらなくなっていた。
以前、駅の傍の寂れた飲食店街の一角に、ラーメンやさんがあった。
以前来た時に見つけて、とても美味しかったから行ってみたら、もうなくなっていた。
駅前の市場もなくなって、リンゴ売りのおばちゃんの笑顔を見られない。
きれいに整備された歩道に、ショッピングセンター。
どこにでもあるお店が入っている。
綺麗になるのがいけないと言うワケではないけれど、何の特色も無くなって、つまらなくなった。

そんなことを考えているうちに待ち人が来て、あっという間に大忙しの一日となった。
こんなのんびりした町で、走り回っているのは私たちだけ?
良く笑い良く食べて、今朝は雪の気配も無く気分は晴天。


















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