2016年9月15日木曜日

前世はムカデ

しぶしぶ、本当にしぶしぶ靴を2足捨てようと思った。
ときめかないものは捨てなさいと言う整理の名人がいるようだけれど、私はなんにでもときめいてしまう。
それはデザインだったり色だったりお値段だったり、特に半額なんて言葉にはまんまと騙される。

特に靴フェチ。
靴には目がない。
それにしてはいつも同じものを履いているという観察眼鋭い方たちはピンポーン。
同じブランドの同じシリーズを何足も持っているというバカなことをやっている。
しかも、それだけ持っていても中でも特に気に入ったものしか履かない。
Tシャツなんかも気に入ると同じものを2枚買うとか。
汗かきなので一日のうちで着替えを何回もすることが多いから、お気に入りは何枚も持つことにしている。
靴でいま特に気に入っているブランドがルコラインのスニーカー。

サイズが22センチからある。
スニーカーは元々パンプスなどよりは幅広にできているから、私のように小さい足の者にはたいていだぶだぶ。
このブランドは、気持ちよくフィットしてくる。
今年の春先、情緒不安定になったときにルコラインの靴をまとめて買った。
その数8足ほど。
友人がそれを聞いて「ばーかーばーかー」と言った。
彼女はいつもは品もよく、このような言葉は口に出さない人だと思っていたけれど、よほどバカだと思ったらしい。
私もそう思うので妙に納得した。
決して安いとはいえないから、かなりの出費。
それでも履きやすいスニーカーを履いて公園を散歩すると膝の痛みもなく、気分爽快!
精神衛生の面から考えたら安いものだわ。

それ以後少しは収まっていたけれど、またぞろ買いたくなって昨日の夜2足追加。
あまりにも靴が多いので昨日古いものを2足捨てる決心をしたという次第。
それを見透かしたかのように今朝一本の電話がかかってきた。
H&*と名乗るリサイクルショップ。
「靴の履いていないものはありませんか?そちらのご近所で、もう10年も履いている草履なども引き取らせていただきました」

そんな古い草履をどうするのかと思ったけれど、闇鍋にでも入れるのかしらと思って話を聞いた。
さぞおいしい出汁がでることでしょうよ。

「靴を引き取らせていただいておりますが、なにかございませんか?」
「たくさんありますよ」
「ではうかがわせていただきます」電話が切れた。

そのあとすぐに次の電話。

「さきほど電話しましたH&*ですが、実は靴だけではお取引できませんのでなにか貴金属とセットにしていただかないと」

おやおや、やはりそう来たか。

以前、ドレスを買い取るというからそのつもりでいて、まんまとネックレスを放出させられた経験がある。
そのネックレスはもう何十年も身に着けなかったので惜しいとは思わなかったけれど、いま思うとなにか一つくらいちゃんとしたアクセサリーを持っていないといけないから、売らなければよかったと後悔している。

それで「きたないやり口ね、来なくていいわ」と言って電話を切った。
ひどい言い方だけど、そのくらい言わないと相手はこたえない。
はじめから貴金属というと二の足を踏む人がいるから、履き古しの靴なら喜んで放出するのを狙っている。
詐欺とまでいかなくても、汚いやり口には違いない。

最初の電話で喜んだ私は、あちらこちらから靴を集めてみたら、その数10足くらいになった。
私は前世ムカデだったの、で足が何本もあるから沢山の靴が必要。
どれも気に入って買ったのだけれど、悲しいかな最近膝が痛くてハイヒールが履けなくなってしまった。
一度も外に履いていかなかったハイヒールがピカピカ光って待機しているから、誰かに履いてもらえば靴も喜ぶ。
しかし、誰かにあげようと思っても私のサイズが履ける人はほとんどいない。
ハンサムな男性の車の送り迎えとお姫様抱っこだけで外出できるなら、ヒールの高い靴も出番はあるのだが、そんなご奇特な方は見当たらない。

私の王子さまはどこに?

最近は周りには元おーじさま、今おじーさまばかり。
ハイヒールも履けないから、おしゃれもいまいち。
9センチヒールの履けた若さよ、どこへ消えてしまったの?






































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