わが家に餌をねだりに来るシロリンとチャイロン。
名前の通り白猫と茶トラ。
うちの駐車場には今一匹のアメリカンショートヘアが住み付いていいる。
これがヘタレで、少しもなつかない。
もう何か月も毎日朝夕ごはんをやっているのに、いまだにちゃんと姿をみせない。
元々家猫だったと思われるのが何かの事情でノラになったようだ。
そういう猫はかわいそう。
シロリンのようにふてぶてしくなく、オドオドと周りをうかがって、せっかく作ってあげたベッドを朝方の寒い時間にシロリンに奪われてしまう。
冷たいコンクリートの床で、体の毛を膨らませて寒さに耐えている。
かわいそうだから家に入れてあげようとしても、触ることもできないのでどうしたものか。
一時期餌と暖かい電気行火入りの住居を確保したことで、だいぶ慣れてきたと思ったのに、シロリンにベッドを強奪されて、又いじけている。
シロリンはいたってお猫良しで悪気はないけれど、体力もありこのあたりのボスだから、いうことを聞かないわけにはいかない。
以前来ていたミッケはついに姿を見せなくなった。
最後の方は食欲もなく、餌を前にしても口もつけない。
最後に初めてお腹を見せて、私の前でゴロンと横になった。
何年も毎日食事をさせて、一切手が出せなかったのに、その時には頭を撫でさせてくれた。
最後にあいさつにきたのかもしれない。
それでも猫は不思議なもので、死んだと思ってもある日突然かえってくることがある。
以前家の玄関前で、パンダちゃんという白黒模様のノラに餌をやっていた時の事。
毎日来ていたのが、ある時期、突然姿を消した。
その猫は近所でもモテモテ男で、その猫の子供と思われる猫が沢山いた。
顔は不細工、ちょっと寅さんに似た小さい目。
体はがに股のがっしりとしたガテン系。
猫の世界ではこういうのがモテるらしい。
毎日餌を用意して待っていたのに、ぱったり姿を見せなくなった。
もう死んでしまったのかしらと思っていたら、また1年ほど経ったときに急に姿を現した。
それから毎日玄関先に来ては餌を食べていく。
そしてある日、通りかかった人が「あら、この子」と声を上げた。
「この子はうちでずっと餌を食べていたのよ。最近来なくなったと思ったらこんなところでもらっていたのね」
聞けばわが家の前を流れる川の対岸の家。
ちょうど向かい合わせのお宅だった。
猫はこんな風にテリトリーを変える。
何かの事情でそこに住めなくなると、ほかの餌場を確保する。
大変世渡り上手なのだ。
今居るアメリカンショートヘアのふうちゃんは、そんな才覚はない。
きっと家猫で風来坊生活は初めてと思われる。
それが何らかの事情・・・迷子になったか、捨てられたか・・・でノラになったから、いま苦労しているらしい。
それは本にゃんから聞いたわけではないので何とも言えないけれど、察するところ。
早くなついてくれれば暖かい部屋と十分な食事が待っているというのに、かわいそうだなあと思う。
シロリンはすっかり私に馴れて「君、僕を撫でたまえ」と言わんばかりに体を横にしてすり寄ってくる。
それでもノラの習性でいつ何時牙をむくかもしれない。
以前は顔中傷だらけ、耳が引きちぎれんばかりに血だらけということが多かったのに、最近いやに身ぎれいに真っ白になっているから、もしかしたら飼い主が見つかったのかもしれない。
早くなつけばうちの子にしてあげたのに。
ミッケが生きていて、ある日また姿を現さないだろうかと、一縷の望みは捨てきれない。
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