2016年12月9日金曜日

お義姉さん

今朝兄から電話があって、奥さんが亡くなったと聞いた。
思いがけない訃報にひどくショックを受けた。

私の両親、私たち子供6人、私の姉夫婦とその子供2人、その中に嫁いできた。
よほどの勇気がなければ、そんな大家族に交われない。
全部で13人。
今まで私は最高人数が11人だと思っていたけれど、こうして数えてみると義姉をまぜて13人もいたのだった。
姉夫婦の子供のうち一人は軽い脳性麻痺で、言葉が遅かった。
その子をすごく可愛がってくれて、私たちがその子を叱ったりすると、必ずフォローしていた。

義姉のお父さんは教会の牧師さん。
我が家は先祖代々の仏教。
キリスト教徒なのに、仏前で手をあわせ、お墓参りも法事もきちんと参加してくれた。

兄は母の溺愛する長男だったから、結婚したら一波乱あるかと思ったけれど、それも無く平安だった。
母は非常に賢くて(身びいき?)兄がお嫁さんをもらったとたん、サッと兄から手を引いたのは、それは見事だった。
一切口を出さず、義姉を立て、彼女の作った料理を褒めて・・まあ、時々私たちに愚痴をこぼすことはあったけれど、義姉の前ではオクビにもださない。
多少波風は立ったかもしれないけれど、私たちには知らされなかった。

父は結婚に反対していて、小さな教会の牧師の娘というのが気に喰わなかったようだ。
それを母がなんとか3年ほどかけて取り持って、やっと結婚に漕ぎつけたという経緯がある。
結婚を反対する舅がいて、小姑がわんさかいて、猫も鳥もいて、それはもう大変な覚悟をして入ってきたと思う。
私たちは意地悪するつもりがなくても、緊張していると思いがけない言葉に傷つくことはあったと思う。
まして我が家では冗談が先行するから、どこまでが冗談でどこまでが本気かわからない変な家風があった。
他の家では通用しないようなきつい冗談もあったと思う。
私たちは、お義姉さんにはそんなことは言わなかったとは思うけれど、自信はない。

年始やお盆などで兄弟が集まると、黙って料理を作りお酒の用意をして、長男の嫁の立場を通した。
大皿に一杯のお煮しめやてんぷらなど、料理やさんの物かと思えるほどの見事な出来栄えの料理が並んだ。
「おねえさんのお煮しめは本当にきれいで美味しいわよね」と私たちは毎年ほめるのが行事のようだったけれど、これは本心からだった。
3人の子供が独立して兄と二人、仲良く暮らしていた。
毎年母の命日近くになると、私たち姉妹を家に呼んでごちそうしてくれた。
兄とは本当に仲が良く、面倒見の良い兄は足が悪くなった義姉をとても大切にして料理や家事をせっせとやっていたから、義姉はとても幸せそうだったのがせめてもの慰め。

穏やかで優しい人、長年そうおもっていたけれど、ある日ちょっと意外な面をみてしまった。
それは近所で火事があったとき。
近所の印刷工場が燃えて、私は早速見に行った。
するとそこに義姉がいて「nekotamaちゃん、こっちのほうが良く見えるわよ。いらっしゃい」手招きされた。
エーッ、あなた信心深いキリスト教徒でしょう?
もちろんこの火事で人身事故はなく、工場もすぐ新しく前より大きく再建されたけれど、ちょっと意外だったのが義姉の野次馬根性。

いやだ、そんなこと書かないでよ~、と今頃義姉は照れているかもしれない。

喪中ハガキの印刷を注文したら、実感がわいてきて、とても悲しい。











































2 件のコメント:

  1. いい方ほど早く神様に召されてしまうのですね。ご冥福をお祈りいたします。

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    1. そうなんです。私はだからすごく長生きしそうで・・・
      お悔やみありがとうございます。

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