2016年12月24日土曜日

新潟火災

風の強い日、よりによって強風の日に、鍋をコンロにかけたまま店を離れたという中華料理屋の店主。
あまりにも無防備、思慮のなさに唖然とした。
うっかり者の私でさえ、鍋に油が入っていたら、そこを離れるときに火にかけっぱなしはありえない。
電話がかかってきたら、まず火を止めてから電話に出る。
テレビを見ることもしない。
ひたすら鍋を見つめる。

そのくらい一般人でも気を遣うものなのに、プロの料理人がそんなことをしたばかりに、こんな大火になってしまった。
クリスマスプレゼントにわくわくしている子供たちの夢を奪ってしまった。
お正月を向かえる準備をしてたであろう人たちの幸せを奪ってしまった。
幸い死者は出ていないようだけれど、これから寒さに向かって家を失ったひとたちは、つらい新年を迎えることとなる。
気の毒すぎて言葉も出ない。

そして今、この店主を非難している私といえば、お風呂のお湯を出しっぱなしにしていた。
いつもならお風呂にお湯を入れる間、そばで音を聞いているのだけれど、今日はちょっと隣の部屋へ物を取りに行って、そのまま居ついてしまった。
途中でハッと気が付いて慌てて戻ったら、お湯があふれてざあざあこぼれていた。
他人のことは言えない。
もし自分が火を出してしまったら、もうその土地には住めない。
火元の責任は問われないと聞いたことがあるけれど、自分も全財産を失ってしまったら弁償もできないので、類焼した家は全く手の施しようがない。
その人たちはどうするのだろう。

私は自分が危険人物だと知っているから、そういうことのないようにコンロはIHヒーターに変えて、鍋が沸騰したら時間を見計らってタイマーをセットする。
これで鍋を焦がすことも、ヤカンを真っ黒にすることもなくなった。
タイマー無しのガスコンロを使っていた時はいつも不安で、仕事に出かけた先や途中の電車の中でとか、急にガスの火をとめたかどうか不安になり、近所の姉に電話をして見に行ってもらったことがたびたびあった。
いつも必ず消えていたけれど、これから先は安全とは確信できない。
気になったときにはたいてい安全。
でもほかのことに気をとられていて、火のことに気が回らない時は危険な確率が多い。
タイマー作戦は、自分がキッチンにいるときでも必ずタイマーを使うことで、危険を回避できるようになった。

たった一人の不注意が沢山の人を不幸にしてしまった。
それでも誰でも、いつ自分が加害者になるかわからない。
火事は恐ろしい。
地震防災訓練の時に体験したのは、震度7の揺れ。
それはまあ、けっこうな恐怖だったけれど、もっと怖かったのは、煙の充満しているトンネルを歩かされた時。
訓練だから絶対安全とわかっていても、足が前に進まなかった。
火元の店主も今地獄にいると思う。
自業自得とは言え気の毒でならない。

義援金を送っても、これがまた果たしてちゃんと被災者にわたるかどうかわからないという。
無力感に襲われる。

















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