2014年11月2日日曜日

関東学院大学管弦楽団第10回定期演奏会

チャイコフスキー 「花のワルツ」
ロドリーゴ    「アランフェス協奏曲」
ブラームス    「交響曲第4番」
                  横須賀芸術劇場

10年という歳月は、とても大きな仕事をするものだと思った。
初めはメンバーも少なくて、ブラームスのシンフォニーなどは夢の又夢という状況だったのに、10年経ってみれば夢が実現したことを、驚きと感激で実感した。

ブラームスのシンフォニーは何れも素晴らしい曲で、ファーストヴァイオリンや旋律を受け持つ人には垂涎の的だけれど、セカンドヴァイオリン、ヴィオラなどの内声を受け持つ人にとっては本当に難しい。
曲の構造が分かって弾くのでなければ、音を並べるだけになってしまう。
自分が一体この曲のどの部分を担っているのか考えて、弾くことが必要になる。
このオーケストラが今回のブラームス第4番のシンフォニーを演奏すると聞いて、少し無理なのではと正直思った。
なぜなら、大学に入学したばかりで生まれて初めて弦楽器を手にする人も多いし、複雑な構造の、しかもハイポジションの音が多く、かなりのキャリアがあっても梃摺ると思うから。
オーケストラのベテランメンバーが沢山卒業してしまって、大変だと聞いていたのもあったし。
ひと月ほど前、練習に顔を出すと、なんだか喧噪の中で自分の音が合っているのかどうかも分からない。
うーん、やっぱり!これはどうなることやら。
ところが今日・・・響きの良い横須賀芸術劇場の大ホールに響いたのは、きちんと整理されて破綻の無い演奏だった。
今回のコンサートミストレスは特に賞賛に値する。
落ち着いて皆をリードしたお手並みに拍手!!!

このオーケストラのトレーナーは、わが「古典音楽協会」のメンバーの新谷さん、重松さんのお二人。
初めて楽器を持つ生徒に手ほどきをし、この難しい曲をここまで弾けるようにしたその指導力には脱帽する。
ここ数年、私はエキストラとして参加させて頂いているが、技術の洗練の度合いが毎年どんどん高くなっている。
これが年月の持っているパワーなのだと思った。
一部が全くの初心者であっても、すでに伝統の力が彼らを押し上げている。
これは素晴らしい。

協奏曲はギター。「アランフェス協奏曲」
ギターは音が小さいので、オーケストラと弾く時はマイクを通してバランスをとっている。
今回会場の音響の良さもあって、とても聞きやすかった。
ソリストは柴田杏里さん。
風貌と曲がとてもマッチしている。
国際的なギターコンクールでの1位と、コンクールの審査員も経験するという、大ベテラン。
重厚な響きが素晴らしく魅力的だった。

そして、指揮者の安東先生
穏やかで、細い体のどこにこの粘りが秘められているかと思うけれど、いつも思うのはお人柄そのものの高い風格の音楽を作られる。
決して大袈裟なことはなく、淡々として指揮をされる。
この境地はやはり年輪を重ねて到達されたものと思う。

成長したこのオーケストラの行く末を楽しみにしている。




























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