2014年11月21日金曜日

ルースさんは忍耐強い

何回も書いたけれど・・・
あるとき急に思いついて「ハリー・ポッター」を原語で読み始めた。
およそ英語は、とんと出来ない。
中学の時、英語の先生が気に入らなくて、全然興味が湧かなかったのが敗因。
私だけではないと思うけれど、人は誰かに褒められたいというのが原動力になって、勉強することが多い。
国語、数学は先生大好きで一生懸命授業を受けた。
英語は、中学高校を通して先生が好きではなかったから、そうなると全く関心がなくなってしまう。
他の人なら義務として満遍なく勉強すると思うが、私は猫だからそうはいかない。
成績に凄くむらがあって、飛び抜けている科目と底辺を這いずり回る科目があって、一目瞭然、好き嫌いがはっきりしていた。
英語は底辺ではなかったけれど、特に可もなく不可もない。
ぎりぎり、及第点。

それから数十年後、あるときスタジオの片隅で、分厚い英語の本を読んでいるハーピストを見た。
ふうーん、辞書無しで読めるんだ、えらい!
なんの本かと訊いたら「ハリー・ポッター」

子供向けなら私にも読めるかもしれない。
原書を買ってきて読み始めたら、基礎がまったく出来ていないので、これが相当手強い。
そうなると、面白くなってくるという天邪鬼だから、せっせと読みはじめた。
中学以来英語の本なんて読んだこともない。
海外留学の経験もない。

近所のカルチャーセンターで、個人レッスンを受けながら読み始めた。
ところがアメリカ人では分からない事だらけ。
これはイギリス人でないといけないと思って、ルースさんを紹介してもらった。
発音から習慣から違うので四苦八苦だったけれど、私はイギリス英語の方が性に合っているような気がしている。
ろくに勉強しなかったくせに、若い頃身に付いてしまったアメリカ英語の発音は中々治らないで、苦戦しているけれど。

今日はレッスンの日。
準備怠りなく家を出る時間まで予習をしていると、音楽教室から電話が。
「先生の先生がお待ちですよ」
え、なにそれ!
予定をカレンダーに書き写すときに、12時を2時と書いたか、又は、後で書き直すときに1を消してしまったか。
真っ青になった。
オーケストラ育ちだから、いい加減な性格の割には時間にはすごく几帳面。
ほとんど遅刻などしなかったのに、最近、少々怪しくなってきた。
それでも、いつも時間よりも早めに家を出るので、今日もすっかり身支度が出来ていたのが幸いして、レッスン時間の3分の2は確保できた。
この年で(何歳とは言わないが)走って走って、電車の運転手に「待ってぇ~」ハアハア死ぬかと思った。
ルースさんは落ち着いて、コーヒー飲まなくて良いですか?と言ってくれる。
謝礼も時間が少なかったからと、少なめにしか受け取らない。
「だって、私が遅れて無駄な時間をつかわせたのに、それはないでしょう」と言いながら、財布にお金を戻すところが私の図々しいところ。
私の変な質問にも丁寧に、後でメールで解説してくれる。
彼女が先生でなかったら、こんなに長く続かなかったと思う。

全7巻のうち、今は5巻の4分の1まで進んでいる。
目が悪くて、本の字が小さくて読めなくなり、途中で挫折しそうになった。
その時に残念そうに、又一緒に読めるようになると良いですねとメールをくれた。
それでも2年間休んでしまった。

困るといつも助けてくれる人がいて、電子図書のハリポタを購入してもらい、タブレットの字を大きくしてもらえたお陰で、再開することが出来た。
最後の7巻まで購入してもらったので、これはやるっきゃない。
連絡したら、ルースさんは大喜びしてくれた。
字が大きくなってから進むのがとても早くなったけれど、読み終わるのは何歳になるかしら。
それまでルースさんは我慢してくれるかなあ。
その前に、私の脳みそが持ちこたえられるかどうか。





























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