2014年11月8日土曜日

アカンサスⅡ・TGSコラボレーションコンサート

1967年、年若き芸大生により結成された「アカンサス弦楽合奏団」は40年の時空を越え2007年「弦楽合奏団アカンサスⅡ」として復活。
TGS(東京芸大ストリングス)は2011年、東京芸大2008年入学の同期生により発足。

この二つの弦楽合奏団が世代を超え、一つのステージを作る試みがあった。

グリーク   「ホルベルク組曲」
モーツァルト 「ピアノ協奏曲12番K・414」ピアノ 梯剛之
シューベルト 「死と乙女」

              三鷹市文化センター

1曲目はTGSメンバーによるホルベルク組曲。
テクニックが見事で整然とした演奏だったが、音が硬い。

2曲目は梯さんのモーツァルト。バックはアカンサスの中高年組。
やはり音の違いが歴然としている。
こうも違うものかと唖然とするくらい違う。
音の幅も深みも、断然こちらの方が上回っている。
やはりこういうものなのだとほとほと感心した。
若者達は1人で弾かせたら、音程も良い、指は回る、音の切れ味も良い。高齢者はかなわない。
しかし、残念なことに感動は薄い。

それに比べて「アカンサス」は白髪頭がちらほらするけれど、全体の音の豊かさは長い年月かけて、この人達が獲得したものを物語っている。
年月は偉大なのだ。

最後の曲はシューベルトのお馴染み弦楽4重奏曲「死と乙女」を、マーラー編曲の弦楽合奏で合同演奏。
ここでも又面白い発見が。
コンサートマスターが1,2楽章と3,4楽章で交代した。
そして交代した途端に音色が、がらりとかわったのにビックリした。
メンバーは全く一緒なのに。

2楽章のヴァイオリンのオブリガートの部分を人数を減らして演奏したけれど、全員で弾くか、又は1人で弾くかにした方が良かった。これはマーラーが指定した人数なのだろうか。
えらく音程のズレが目立ったので。

面白い試みではあったけれど、なんだか若いグループが気の毒に見えてきた。
たぶん本人達は、絶対自分たちの演奏の方が良いと思っているに違いない。
「おじさん達には負けないわ」と。
同じくらいの人数なのに、低弦が響いていないのに気が付いているだろうか。
全く破綻は無いけれど力みすぎてバランスが悪く、ハーモニーの厚みが無くなってしまっている。
一緒に行ったピアニストの友人が「こんなに音が違うなんて」と絶句していた。
たぶん片方だけ聴いたなら、それほど感じなかったことなのに。

梯さんのモーツァルトは協奏曲も良かったけれど、アンコールの幻想曲ニ短調にしびれた。











      

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