2014年11月5日水曜日

井上二葉ピアノ独奏会

ガブリエル・フォーレ没後90周年
三つの無言歌 作品17
舟歌     作品26
即興曲    作品31
そこから作品36,42,63,62
休憩後は
歌曲集 優しい歌 作品61 テノール独唱 安冨泰一郎
前奏曲     作品103
この後     作品104,102,119
             浜離宮朝日ホール

フォーレの作品だけのコンサート。
これはいかがなものかと思ったけれど、二葉さんの独特の世界に引き込まれて、素敵な夕べになった。
作品の若い順から並べられたプログラムは、二部の最初に歌曲を入れて変化をつけている。

初めの方は曲も単純で、二葉さんもやや堅くなっていたようで、それを感じながらすぐに眠ってしまった。
これはコンサートでの私のいつものパターン。

最初は会場の響きになれず、本人も上がっているから聴く方も辛い。
私も演奏する者の端くれとして、気持ちが分かるだけに、こちらもドキドキする。
有名な世界的な音楽家であっても、やはり初めは調子が出ない。

目が醒めると、演奏者はすっかり自分の世界を作り上げていて、非常に面白くなっている。
特にあがるので有名な某ヴァイオリニストの時は、眠ることさえ出来ないから、開演時間より少し後に行く。
ただ、その自分を取り戻していく課程も見ていて面白いから、調子が良くなってからだけ聴くのもどうかと思うけれど、人のせいでドキドキするのはあまり好まない。
これは考えように依っては非常に失礼なことかも知れないが、私はやはりご当人が一番良い状態の時に聴きたいと思っている。
聴衆も一緒になってコンサートを作り上げて行くと言う考え方なら、初めから眠らないで聴くべきだけれど。
どう言っても弁解がましいので、この辺で。

二葉さんは非常に上品で、美しい。
落ち着いているようでも、やはり初めの曲は音が堅く、やや単純な感じがした。
これは曲のせいでもあるかもしれない。

しかし、二部になってどんどん自分の世界に入っていくのが見えてくると、俄然面白くなってくる。
ステージの上には二葉さんというより、精神の塊がスポットライトを浴びて存在しているような・・・文才があればなあとため息が出る。
本当にそこだけ、光が射していた。

背筋を伸ばし、いかにも育ちの良い物静かな女性が、これほどのパワーを持っているなんて。
しかもご高齢にもかかわらず、衰えることのないテクニックと上質の音、演奏スタイルは、正統派の強み。
今日使用のピアノは、ベーゼンドルファー。
私もこのピアノはとても好きで、スタインウエイほどキラキラしていない代わりに、いぶし銀の音がする。
私がお金持ちなら、是非欲しいピアノなのだ。



ところでお詫びです。
昨日の投稿は大失敗で、実はパソコン内の写真をパソコンメールでこのブログに送信したらどうなるかと思って送ってみたら、結局写真は消滅、編集も消去も出来なくなってしまいました。
「windowsメールから送信」という謎のタイトルだけ残ってしまいました。
タイトルを見て、覗いて下さった方が大勢いらっしゃるようで、ごめんなさい。
中身はもぬけの殻なんです。

















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