以前からずっと気になっていた冷凍庫の中身。一体これはいつからここに住み着いたのかと思うようなものが眠っている。一年前のクリスマス用のチキンとかミートパイとか、食べても大丈夫?状態のものが未だにゴロゴロ。思い切って全部食べつくすことにした。
恐る恐る解凍するとなーあんだ、普通に新鮮ではないか。最近ダイエットをしていたので、肉食我慢が限界に達している。焼き上がったチキンの匂いに釣られて猫が騒ぐ。はてな、今までうちの猫は魚しか食べないと思っていたのにこの騒ぎはなに?あらま、美味しそうに食べてる。数万年前のマンモスだって食べられるのだから、一年やそこいらは大丈夫。久しぶりに肉食を堪能した。
それからご飯のパック。最近私はご飯を炊かなくなってしまった。一人ならパックされたご飯を電子レンジでチンしてホカホカの炊きたてが食べられる。すべて省エネ。味噌汁はフリーズドライ。日本の食文化の衰退が我が家から始まっている。お餅もいつ買ったのか忘れるくらい前のものだけれど、時々銀座久兵衛の海苔を送ってくれる人がいて、それがえらく美味しい。その海苔で焼いたお餠をくるむと、いくらでも食べられそうで怖いくらい美味しい。薄いのにしっかりと香りの強い上等な海苔は、滅多なことでは口に入らない。普段は近所のスーパーで買う安い海苔を食べているから、同じ海苔でもこれほど違いがあるのにびっくりする。
なんでも良い物を選ばないと、本当の味を忘れてしまいそうだけれど、経済的にそんな贅沢はできないから、時々いいものを食べて味の記憶を絶やさないようにしないといけない。味の違いくらいはわかるけれどグルメではないので普段はなんでも美味しくいただく。味覚が鋭い人は辛いだろうなと思う。嗅覚の鋭敏な人も辛いだろうなと思う。私は五感の中で少し突出しているのは聴覚だけ。これは職業的に訓練されているのと、子供の頃から良い音楽を聴いて育ったので非常に敏感だけれど、それ以外は全くの凡人。
クラシックでなければだめとか、音楽の好き嫌いが無いので助かっている。ロックでは流石に無理だけれど、ジャズのコンサートに行ったらはじめから終わりまで爆睡だったので我ながら呆れた。アート・ブレーキーとジャズメッセンジャーズ、始まったらドラムのリズムが心地よく眠りに誘ってくれたので、目が覚めたらコンサートは終わっていた。音の大きさではなく質が問題なので、小さな音でも悪い響きはたまらなくいや。
それでなにを語ろうと思ったのか・・・
そうそう、冷蔵庫の中身を処分して掃除をしよう。めったに思いつかない考えだから、思いたったら百年目、まず中身を空にすることに専念。次々に出てくる化石や発掘物。これ食べて大丈夫?全部食べつくしたけれどまだ生きている。すみませんね、往生際が悪くて。食べ尽くしたらもう掃除をする気力がない。新しい食料を買い込む前に掃除をしないといけないのに。
文明の発達のうちで冷蔵庫ほどありがたいものはない。最近の地球の温暖化にもし冷蔵庫がなかったら、ゾッとするような事態になっている。もはや調理する気力もなく、レトルトやコンビニや缶詰に宗旨変えをしようと思っている。まず腐敗の心配がない。置き場所をとらない。保存が効く。新鮮さが保てる等、いい事ずくめ。ポテトサラダくらい自分で作れと言ったおじさんがいるというから、そういう人はご自分でお作りください。そうすれば奥さんの苦労がわかるから。何十年も毎日人のために作らなければならなかった時代は終わった。食べ物のために浪費した時間がもったいない。むしろよくやったと自分を褒めてやりたい。
レッスン室はレッスンのためと、友人たちとの憩いの場としての役割があった。春にはお花見で何十人もの人たちがすし詰めでお酒を酌み交わした。今コロナの時代、めったに人は来ないから、そちらにおいてある冷蔵庫は中身を空にして電源を切った。時代が終わった、と思った。これから断捨離、膨大な楽譜は見ると捨てられないから、見ないで捨てる。CDとカセットテープはすべて処分する。ステレオ装置も。そうなれば部屋は随分広くなるから、コロナ騒ぎが終わったら、ミニコンサートができる。
食料一掃というより人生の垢を削ぎ落とすことにする。サバサバするよね、きっと。生きるということは無駄を生じる。ゴミだらけの人生、一番のゴミは自分だけれど、時々は皆さんを楽しませられたのかな?
ここ数日、足の調子が良い。毎日の筋トレとウオーキングが功を奏したかもしれない。体重のコントロール、食事の質と量など、いつもいい加減な私には珍しく頑張ってみた。やはりまだコンサートで演奏したいということがモチベーションとなっている。弾き終わって椅子から立ち上がれなければせっかくの名演奏(?)が台無しになる。片足立ちもだいぶ復活してきた。スキーもまだしたいし、老後の明るさは足にかかっているのだ。
まだ冷蔵庫の掃除はすんでいないけれど、これから食料品の買い出し。筋肉に必要なタンパク質のためにまた肉食に戻ることにした。ピアニストの室井摩耶子さんは90歳を超えても未だにステーキを召し上がるらしい。私も90とまでいかなくてももうしばらく皆さんのご迷惑を顧みず弾かせていただきたい。聞きたくなければ耳栓をご持参の上会場におでかけくださいませ。
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