ノラは朝食は駐車場で、昼食はうちのベランダで食べることにしたらしい。早朝、駐車場に餌を持っていくと凍えきっている。おはようと言って抱きしめると冷たい。さすがのノラも寒さが堪えているらしく黙って抱っこされるようになった。しばらく温まるとさっさと餌に向かう。
ベランダまで来るようになったのでしめた!と思ったものの、そこから先が進まない。先住猫のコチャが行く手を阻む。コチャは心底嫌だということを私に訴える。にゃにゃにゃーうにゃーにゃ・・・なにを言っているかよくわからないけれど、いつもの鳴き方とは明らかに違い、必死の形相で私に語りかけてくる。たぶん「私あの子はいやなの、いやなのよ、ほんっとにいやなのよ、おうちに入れないで!」わかったわかった、じゃあ、もう少し待つから考えてあげてね。
長年の野良生活で身につけた勘でノラはすぐに状況を察知して、窓が開いていても室内には入らなくなった。本当に賢い。怒られてもじっと我慢して歯向かいもせず、静かにその場を立ち去る。数日前までは室内に入れてあげると温かい床にゴロゴロと横たわって気持ちよさそうにしていたのに、それも一切しなくなった。不憫だなあ。
近所で猫が殺される被害が起きて警察が調べていると聞いた。自分より弱いものをいじめてなにが面白い。幸いノラは私の家でたらふく食べているから、今の所安穏としていられる。けれど環境が変わって餌がやれなくなり他所の家のものを盗み食いでもしたら、殺猫者たちのいい口実となる。そのためにも早く家に入ってほしいのだが、うまくいかない。
そんなことで騒いでいるので大晦日なのに大掃除も年賀はがき書かきもできていない。この3日間、お客様が続いた。いつもの年ならまとまって集まって忘年会と称する宴会が続くのに、今年の寂しいことったらない。一人ずつ、あるいは二人ずつ。兄と姉が来て珍しく我が家でくつろいでいった。いつもなら兄の家に集まるのだが、今年はそろそろ私の出番かなと。
時々3人で集まる。他の兄と姉は、住居が離れていたり療養施設に入っていたりで来られないので、もっぱら近所の3人で集まって会食をする。兄の話が去年辺りから、自分の幼少期の話題になってきた。どんどん時代を遡っているらしい。今までほとんど聞いたことのないような戦争中の話。父親との確執とか田んぼの真中で米軍の機関銃掃射に遭遇したことなど、生々しい話題はずっと聞いたことがなかったから、衝撃だった。いつも物柔らかな兄が実は軍国少年で、幼年学校に入りたかったとか。陸軍士官だった伯父の制服と長靴、腰に下げていたサーベルが格好良かったから憧れたという。
今聞くとゾッとするけれど、当時の子供は皆ごく自然に愛国心を持つように教育や環境に支配されていた。しかも兄は飛行機に乗ることを夢見ていたから、もし戦争が終わらなければゼロ戦に乗っていたかもしれないという。そうなったら兄は今ここにいないわけで、私は兄の影響でヴァイオリンを弾いたのだから、ヴァイオリン奏者になっていないかもしれない。すると私は何をしていたのだろうか。獣医さん?競馬の騎手?猫を周りに従えたホームレス?
近所の公園のベンチに毎日寝ていたホームレスさんの姿がずっと見えない。その人の集めた空き缶などはまだ残っているので、一時的に宿泊所などに泊まっているのだろうか。コロナ禍の今、シングルマザーなども困窮しているという。政治やのおじさんたちはお身内が儲けることしか考えていないから、実態を知らないでしょうが。そのことで昨夜はうちの上の階に住んでいるOさんと怒り狂った。
実は一日早いけれど、ジルベスター・パーティーをしましょうと彼女から誘われたので一緒ワインを飲むことにした。彼女は言うなればエリートだし私も今のところはまあまあ安穏と暮らしている。それに比べて今の日本の若い女性たちのあまりにも可哀想な現実を聞くにつけ、なんとかならないものかと焦りに似た気持ちになる。自分で運命を切り開ける力があれば現代は女性には住心地が良いけれど、運命に翻弄されて子供を連れて離婚した女性に世間はあまりにも冷たい。養育費を払わないずるい男のなんと多いことか。男性と同じだけの仕事をしながら家事はすべて女性、育児も丸投げされたあげく不倫されてしまったら、女性にも非があるという言葉は絶対に口に出せない。
無料の食料品提供場所に現れてこれで少し助かりますというシングルマザーの言葉を聞くと、テレビ局は変なバラエティー番組など作っていないで制作費を彼女たちにまわしたらどうか。私は毎月ある福祉団体にわずかばかりの寄付をしていたけれど、それをシングルマザーに回せないかと思案中。今困っている女性たちにと思っている。
それよりも政治屋の「おじさん」たち、「たったの」何千億円を無駄使いせずに困っている人に今すぐに回してほしい。昨日深夜まで上の階のOさんとえんえんとそのことを話し合った。なんとかならないの、日本のおじさんたち、おじいさんたち。それに小動物をいじめる者共、そこへ直れ、まとめて成敗してくれる。
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