国立と書いてくにたち。
国分寺と立川の間に出来た駅だから。国立音楽大学は以前は、本当に国立にありました。今は玉川上水に引越してしまった。私は国立に校舎があった頃の学生。駅前からまっすぐに一橋大学に向けて、通りが伸びている。両脇に並木のある、美しい道。お店もオシャレ。美味しいお菓子やさんが沢山あって、ほかの街には無いゆったりとした雰囲気。それはそのまま、かつての国立音大の雰囲気だった。国立ボケと揶揄されながら、あたたかく伸びやかな校風は、明るく仲の良い学生を育てていた。音大は競争社会の先端。友人といえどもライバルという他校に比べ、助け合っていこうね、というのんびり屋さんが多かった。そのために、世間に出ると、芸大や桐朋に一歩先んじられてしまう感が否めない。でも、私はこの学校で本当によかった。学長だった故有馬大五郎先生は哲学者。体も心も大きな方で、生徒を見つけると、長い両腕に左右一人ずつ、肩を抱き寄せてくださった。親鳥が子鳥をかばうように。そして、何よりも自由を重んじられた。今日はその懐かしい国立での同窓コンサート。毎年8月14日と決まっている。ずーっと先輩からずーっと後輩まで集まって、各自自分の好きな曲を弾く。終わると打ち上げ会場でも、延々とアンサンブルを楽しむ。気分は皆同級生。いいなあ、くにたちは。
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