2010年8月27日金曜日

幽体離脱

先日暑さも峠を越したと書いたけれど、まだまだ一向に涼しくならない。それで、あるとても暑い夏の出来事を思い出した。昭和天皇が御隠れになる前後だったと思う。やはり耐え難く暑い夏があって、私はヴィオラの新作の演奏を頼まれていた。無伴奏の超難曲でヴァイオリンが専門の私は譜読みに苦労していた。毎日2時間ヴィオラを練習、もちろんヴァイオリンも練習しなければならないから、その夏は暑さにもかかわらず、長時間の練習を強いられた。その頃ヨガを習っていて瞑想のコースにも参加していた。疲れきっていたけれど、瞑想をしてリフレッシュすると、元気がわいてきた。その日も大変暑い日で、練習に疲れ瞑想状態に入ると、閉まっているはずのドアが開いていて、外の窓から光がさしている。それでドアを閉めなくてはと思って立ち上がり、しめに行ったのは私の本体ではなかった。というおはなし。瞑想状態に入るといろいろな現象が起こる。この世のものでないような美しい青い光が、差し込んで来たり、明るい大きな孔が天空にあって、そこからまばゆい光がさしたり、一種の臨死体験みたいな状態になるようだ。初めの頃、自分の姿が光の中に収まって、宙に浮いてるのを見た。このごろすっかりご無沙汰で、そんな素晴らしい体験もとんと味わっていない。人間の脳をある状態にもっていくと、いわゆる「悟り」状態になるみたい。でも、初めて瞑想で素晴らしい体験をしたとき、これは演奏がうまくいっている時の状態と同じだと思った。楽器を弾くのも修行のうちだとしても、修行と違って決して苦しくはない。人の脳の不思議さは限りない。

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