2011年10月11日火曜日

松本の思い出

かつて松本で一緒に仕事をした仲間たちが同窓会を開いた。今から約25年以上前のこと、ヴァイオリニスト外山滋氏を中心にして集まった当時の仲間たちは異口同音に言う。あんなに楽しい仕事はなかった。メンバーはいずれ劣らぬアンサンブルの名手たち。ステージの上は毎回生き生きと音楽が演奏された。そして仕事が終わると車を連ねて、上高地や美ヶ原などにドライブ。夜も和気あいあいとお酒を酌み交わし、まるでボエームの世界のようだった。みな若くはつらつとして、前に前に進んでいた時期だった。今日集まったのはヴァイオリンとヴィオラの6人。都合の悪い人や、連絡先がわからない人もいて、チェロ、コントラバスは声をかけなかったから、これだけ集まれたのは上出来。まだまだ、みなさん現役で演奏しているから、いつの間にか松本のメンバーで外山氏を指揮者にいただいて、コンサートをやりたいねという話になった。実現できたらどんなにうれしいことか。チャイコフスキーの弦楽セレナーデという具体的な案も浮かんできている。古典音楽協会もいいけれど、曲が古典に限られてしまう。時にはこうした現代に近い曲も弾いてみたい。澁谷のイタリアンレストランで飲み、食べ、語り、笑い、マジックを楽しんだ素敵な一夜となった。こうして集まれば一気に一昔前にタイムスリップして、なんの違和感もない。本当に音楽をやっていてよかった。これで楽器を持てばもう時間は松本のステージに逆戻りする。皆で見た南アルプス、上高地の帝国ホテルで飲んだコーヒーも鮮やかによみがえる。免許取り立てで狭い山道を健気に走った、あのコントラバス奏者はなんという名前だったかしら。別れる時に忘年会をやりましょうという話になって、皆一斉に私の顔を見る。冗談じゃない幹事は嫌よ。でもニコニコして見られると弱い。ああ、面倒な。

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