2011年10月29日土曜日

雪雀連はご長寿

会長の山田宏さんとメンバーの田畑精一さん。二人揃って傘寿を迎えられた。一方でなくなる人もいれば、こうして長寿を祝ってもらえる人もいる。人生山あり谷あり。私もずっとふさぎ込んでいたけれど、そうもしてはいられない。会場は時々ここにも登場する松本記念音楽迎賓館。小高い丘の上にあって、木立に囲まれた豪邸で、よくドラマの撮影にも使われるらしい。
会長の山田さんはピアノの調律士界の大ベテラン。もちろん現役で今でもあちらこちらのコンサート会場や著名なピアニスト御用達。それでも私のような著名でなくピアニストでもない音楽家のうちにも来てくれる。
もうお一方の田畑さんは有名な絵本作家、先日古典音楽協会のコンサートを聴きに来た人の中に幼児教育関係の人がいて、私のお客様の田畑夫人を紹介すると、目を輝かして「田畑さんの御本は子供の頃に読みました。現場でも使っています」と言って感激していた。
さて、この二人。80歳と言っても世の中の80歳を想像してはいけない。目の輝きが違う、姿勢がちがう。まったくボケる気配もない。会長は先日前立腺がんの手術を終えたばかりなのにおそろしく元気で、もう来年のスキーの計画を発表している。田畑さんはものすごくハンサムでいまだに沢山の女性の憧れの的。どうしたらこんなに素晴らしい人生が遅れるのだろうか。
祝賀会に集まったのは40名を超える人々。音楽ホールで私たちの演奏や田畑夫人の人形劇、数名の祝辞のあと、トリをとったのは山田会長のお孫さんの翔君。着物を来て急ごしらえの高座に上って落語を一隻。まだ小学生なのに、恐るべき才能を発揮して会場を沸かせる。演しものが終わってからはレセプションルームに移動して宴会となり、ケーキカット、花束贈呈でお開き。静かな住宅街に楽しい帰り道の会話のさざめきが消えてゆき、三々五々家路についた。人生を思うがままに生きたお二人、ご苦労はもちろんさまざまにあったとは思うけれど、人生を愛し、どんなに困難な時にでもその中に楽しみを見つける。なにごともしゃれのめし、笑いに変えられる稀有な才能。ずっと年上で恐れ多いがあえて言わせていただこう。私のかけがえのない友人たちと。

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