2013年2月9日土曜日

遊びをせんとや生まれけむ。

今から9年前、私はもう引退するつもりで記念コンサートもやり、生徒数も減り、のんびりとリタイア生活を送る予定だった。それでも、その頃父が亡くなり諸般の事情が変わって、まだもう少し働かなくてはいけない状態が続いた。不思議なことに事情が変わると、途端にどっと仕事が殺到し、生徒もあれよあれよというまに増えてしまった。文字通り眠る暇もないくらい忙しくなって、このまま仕事を続けると突然死するに違いないと思いながら毎日過ごしていた。そしてその狂乱状態が一段落して、もうそんなに働かなくてもいいとなったら、又も不思議なことにぱたりと仕事が減って、生徒も徐々に減り、平和な日々が続くと思っていたけれど、どっこい、そうはいかなかった。今度は仕事でなく遊びのほうが忙しい。昨日は仕事の前に上野の都美術館でエル・グレコ展を見てお食事。今日は石ころアートのAkieさんの展覧会で早稲田に出かけ、FUMIKOさんとヴァイオリンの美智子さんの3人でカフェに寄ってビールを飲んでおしゃべりをしてきた。明日はコンサートに出かけ、明後日は仕事の後でロンドンの美智子さんとお茶会。その後はスキーに出かけ・・・ああ、こんなに遊んでいいものなのか。もともと享楽的な性格ではあるけれど、意外とまじめなところもあるので、遊びながら後ろめたい気持ちはいつも持っている。とことん遊ぶことの出来ない小心者なのだ。これがめいっぱい遊べるような性格なら、仕事ももっと出来るに違いない。この年齢で(いつも言うけれど35歳?は超えている)これだけ遊べるのは健康で友人が沢山いるということなので、本当に幸せなことだと思っている。とことん遊びにのめり込めるような心境になれば、もっと充実した仕事も出来るようになるだろう。しかし、私の場合人生も仕事も遊びのうちなので、仕事以上におもしろい遊びにはまだ出会ったことはない。

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