2015年7月26日日曜日

志賀高原の蛍

今朝まで志賀高原に滞在していた。
出発したのは一昨日、車に女4人、ピーチクパーチク最初からお喋り全開。
新宿で仕事を切り上げたNさんが運転して、一路志賀高原へ。
長野を越え山路に差し掛かる頃には、東京の地獄のような暑さは嘘の様に消えて、爽やかな風が窓から入ってくる。
定宿の「石ノ湯ホテル」にチェックインをして、軽くビールで食事をとり、暗くなってきたところで蛍のお宿を訪問に出かけた。

都会ではもうお目にかかることのない暗闇を、手(足)探りで進む。
道の両脇に小さな赤い光の点っている明かりが、道しるべに置かれているけれど、その他の明かりは御法度。
携帯電話や懐中電灯の使用も禁止。
私たちの宿よりも上の方にあるロッジなどからも、三々五々人が集まってくる。

ここは蛍の北限だそうで、白樺の木と蛍が同時に見られるのはここだけと聞いた。
何故かというと、石ノ湯には温泉が湧き出ているので、川の水の温度は高い。
しかし空気は冷たい。
蛍は水温がある程度暖かくないと生息できないけれど、温泉のお陰でそれが可能らしい。

しばらく暗がりを人の気配や、所々にほんの微かに点灯している赤い光を頼りに進んでいった。
足元が心許ない。
流れに架かっている橋の上に来たとき、チラリと光る物が。
フワーッと飛んで行く。
ああ、いたいた。
それを皮切りにここでもあそこでも、目が慣れるにつれて、茂みの中や木の葉の間からも、明るい光が点滅するのが見える。
それは幻想的でもあるし、命の活動を必死にいとなんでいる健気な蛍の現実を垣間見ることでもあるし、生命に対する愛情と尊敬の念を感じる瞬間でもあった。

しばらく暗がりを更に進む。
茂みの中に多くの光を見つけ出すと、立ち止まって感嘆する。
月が雲に半ば隠れているので、蛍の光が良く見える。
ぐるりと一回りして出発地点へ戻っても、時々蛍が目の前をスーッと飛んでいく。

往きはホテルから下の川の方まで降りたので、帰りは急な上り坂。
長いドライブと、食事の時に飲んだビールがきいて、足元がふらつき、呼吸が苦しい。
ゼイゼイと言って登り、ホテルでもう一回飲み直し。
今度は白ワインにオードーブルを一皿貰って、飲みかつお喋りを楽しんだ。

皆、蛍を見る機会は中々ないので、感激していた。
ぐっすり眠った翌早朝。
冷たい澄んだ大気の中を散歩に出かけた。
半袖で表に出ると肌寒い。

驚いたことにここかしこからウグイスのさえずりが絶え間なく聞こえる。
しかも、ウグイスさんたちもすっかり歌に熟達して、素晴らしい節回しを聞かせてくれる。
こんなに沢山のウグイスのさえずりは、聞いたことがない。
歩く先々にいて、さえずっているようだ。

朝食の後、車で東館山植物園に出かけた。
スカイウオークと称して、ゴンドラ、リフトを乗り継いで山頂まで行くコースをとった。
2000メートル級の高原なので、空気の冷たさの割には、紫外線が強い。
日傘や日焼け止めクリームでガードしても、日に当たったところが見る見る赤くなっていく。
ニッコウキスゲの群生や、オタマジャクシ、サンショウウオの生息している湿地帯、ヒカリゴケの生えている洞穴などを覗いて、次のコースは昼食目的の横手山。

天気は晴朗!
山にかかる雲は白く、雷の危険もない。
次はスカイレーターとリフトを乗り継いで、横手山山頂へ。
軽い昼食を摂ってから、車で渋峠へ。
そこが日本一高い所にある国道なのだそうだ。

渋峠の長野県と群馬県の県境に建てられたロッジは、建物の半分が群馬、もう半分が長野と壁に書いてある。
そして国道に面した庭に大きなゴールデンレトリバーが2匹。
一匹はご主人に甘えてノンビリ寝て居たが、もう一匹の方がやんちゃだった。
近寄っていくといきなり両手を私の肩にかけて、帽子にガブリ!
あっと言う間に持って行かれてしまった。
離しなさーい、と言いながら引っ張っても噛む力が強く、離さない。
ようやくご主人が出てきて、取り返してもらえた。

ふざけやさんのその子は、隙あらば、帽子や鞄を狙ってくる。
後でその辺りのテーブルに書かれた注意書きを読んだら、持ち物に注意、特に帽子に注意だそうだ。
今噴火の危険のある白根山の周辺をドライブして、ホテルに戻った。

2度目の蛍観賞に出かける。
ところがその夜は月が煌々と照り、満天の星空だったので、蛍の光が見つけにくい。
土曜日というので、学校の生徒たちが沢山来ているのも関係あるのかも知れない。
事前に注意事項を先生から聞かされていると見えて、学生達は行儀良く振る舞っているけれど、やはり人の数が多いのは、虫たちにとっては、喜べることではなさそうだ。
蛍たちは前日と違い、草の茂みで光るものが多かった。

今朝ホテルをチェックアウトして長野善光寺さんへお参りに。
ご本尊さまの真下を通る御回廊巡りをした。
小さな入り口から階段を降りていくと、初めは少し明るいが、すぐに通路が曲がって、真っ暗になってしまう。
真っ暗な中を手探りで進むと、やがて、手に触れるのは金属の鍵。
それに触れると極楽往生が出来るそうで、そこを通り過ぎると間もなく辺りが明るくなって出口を出られる。

いくら前後に人が沢山いるのが分かっていても、真っ暗なのは不安で、時々前の人に衝突したり、前が動いていなくなっているのに気がつかなかったりする。
不思議な事に鍵に触った瞬間、その形がはっきり見えたことで、真っ暗な中では見えるはずがない。
誰かが、その時携帯でも出したのかしら?
それとも触ると明かりが点くとか?

長野まで降りて来た時は、暑いことは確かでも、我慢出来ない事は無かった。
ところが高速道路を東京方面へ走って、パーキングエリアで休憩した時、車を降りると、耐えがたい熱気が襲ってきた。
あ~あ、地獄に降りてきてしまったようだ。




























2 件のコメント:

  1. 善光寺のお戒壇めぐり、行ったことあります。本当に真っ暗で、前を歩いた人が小さく「あっ」っと言って、鍵があるのがわかりました。
    蛍とウグイスが今もたくさんいるってことは、長野県、自然が保たれていることですよね。いいことですね。
    やんちゃなゴールデンレトリバー、いいですね。こんなワンコと遊びたい。

    返信削除
  2. ゴールデンレトリバーは、目が悪戯の目でしたよ。可愛がられているのが一目でわかる、全部のワンさんがこういう風だと嬉しいですね。
    私はどういうワケか大型犬に遊ばれてしまうのです。動物ふれあい広場で、仔牛ほどの黒いわんことじゃれていたら、飼育員さんが襲われたと勘違いして飛んできました。私が大喜びして笑っているのを見て、心底安心したみたいです。

    返信削除