2010年4月1日木曜日

ワディム レーピン リサイタル

サントリーホール、強い風が吹き荒れる、4月1日。ヤナーチェックのソナタから開始。始めのうちは響きが中々つかめず、聴くほうも、集中できない。しかし、豊かな音にぐんぐんと引き込まれてゆく。
これが、デルジェスの音なのか。なんと形容するのだろうか。官能に直接入り込む?とでも?ゾクリとする。ブラームスはあまり深刻でなく、スマートなブラームス。圧巻はR.シュトラウスのソナタ。
私がここ数年で一番良く勉強した曲なので、期待も大きかった。第1楽章で思いがけない音はずし。だけど、それがなんなのだ。息もつかせない終楽章。お見事。 
彼の演奏を聴くのは10年ぶり?プラハのドヴォルザーク劇場 これも天才の誉れたかい、ピアニストのキーシンとの共演だった。二人ともまだ青年で、若々しい力漲る好演でした。それから、年月が経って、今や、貫禄がついた堂々たるヴァイオリニストとして、私たちの前に現れた。共演者はゴランというリトアニアのピアニスト。これが又素晴らしい腕前。シュトラウスの終楽章のあの難所を難なくクリア。本当にまいった、まいりました。あの人が弾いているのがヴァイオリンなら、私はなんと言う楽器を弾いているのだろう?って時々思います。   終演後余韻を楽しみながら、桜の下を散歩。同じ合奏団の仲間で、亡くなったコントラバスの富永さん。この桜の時期、彼と一緒に食事をして、サントリーホールの裏のキハチでお茶を飲んだっけ。そんな思い出話しをしながら、仲間たちとそぞろ歩き。 大事な友人を失って悲しかった思いが、桜を一層きれいに見せているようです。               

0 件のコメント:

コメントを投稿