2010年7月18日日曜日

僧侶ネコ、ニブ君

ゴンベは家に初めて来たときは顔中にダニによる湿疹で、みるも無惨な有様だった。それできっと捨てられたに違いない。顔中にシワが寄って、恐ろしい醜いネコだった。それを獣医さんに連れて行って薬をつけて治すと、素晴らしい美ネコに変身した。前述のように巨大なネコだし、普通のネコは皆彼を恐れたけれど、一匹だけ彼が尊敬してやまない先住ネコがいて、それがニブ。ニブは家の車の下で鼻がつまり、息も絶え絶えで拾われた。体も小さく慢性鼻炎で鼻が詰まり、泥だらけのひどい状態で、あまりに汚いので、さすがの私もお風呂場に1週間隔離したほどだった。やっと部屋に入れてもらったが先住ネコ達がいたにもかかわらず、あっという間に家の守り神のようなボスネコになってしまった。性格は非常に穏やかで貫禄があり、目は炯々として勇敢。外に出れば家のネコを外のネコから守り、どんなに体の大きい相手にも立ち向かった。それがたとえ犬であっても。新しいネコを拾ってきても、ニブは黙って受け入れた。決していじめようとはしなかった。それがわかるのか、新しいネコもニブを怖がらない。友人が初めてニブを見たとき、高貴なお坊さんのような、と表してくれた。体が弱くいつも便秘で悩み、鼻炎は手の施しようが無く、熱を出して寝こむことも多かった。新入りのゴンベがニブを一目みるなり、敬意を表したのは驚きだった。ニブの倍近い大きさで体力も桁違いにあるはずのゴンベが食事の時、ニブが食べ終わるまで自分は食べずにジッと待っている。ニブが終わるとやっと口を付ける。信じられない光景でした。ニブは病気と戦い、生涯最後の日、ゴンベは夜通しニブに付き添って体を舐め続けていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿