2010年9月2日木曜日

スランプ

ゲゲゲの女房を見ています。漫画家水木しげるがモデル。いままでの朝の連続もののなかでも、とびきり面白いほう。この頃水木さん、スランプで仕事が激減。何事にも明るく立ち向かってきた彼が、毎日暗い顔をみせています。なんだか身につまされるなあ。私もオーケストラにいた頃は、一人でこの楽団背負ってる・・みたいな勢いでした。お金なんかめじやないわ。お金よりもいい演奏が大事。そんな気概。貧乏は全く苦にならない。本当によく努力もしたし、その頃の自分が目の前にいたら、頭ナデナデしちゃう。でも、フリーになった時、仕事=お金が身についてしまった。当時、バブル経済の真っ只中、仕事は降るほどある。現金払いだったので、スタジオをいくつかまわると、みるみるお財布がふくらんでくる。ヴァイオリンもヴィオラも弾いたので、超多忙。毎日美容院で髪をあらってもらい、シャンプー台でしばし仮眠。文化会館のリハーサル室で、ピアノのカバーに包まって寝てしまったことがあるくらい。でも、ストレスが大きくて、稼いだお金はその場で遣ってしまった。目につくものを買ってしまうので、なにも残らなかった。それから、バブルが弾けて仕事が減りはじめると、自分を拒否されたように感じてしまう。仕事がない。電話がならない。世の中どうなっているの。嘆いている私に「そんな時には勉強するものだよ」大先輩の鳩山寛氏の言葉が思い出される。ちょうどその時期の水木さん、頑張って。

2 件のコメント:

  1. 昔の漫画家さん達は、当時何もないのが幸いしたのかどうかは分かりませんが実に想像力が豊に思えます
    その後日本も豊になりだすと「モノ」の快進撃に想像力が追いつかなくなっていってしまったかのようです
    iPhoneみたいなものでも既に昔のマンガを引っ張り出してみればどこかに描かれているはずなのに…

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  2. そうですね。ジャックと豆の木みたいな、宇宙エレベーターの開発が進んでいるようです。この作者だって、本当の事になるかもしれないとは、思わなかったのでしょうね。今日見たら水木さんは突破口がみえてきたみたいで、よかったです。

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