2012年2月29日水曜日

雪だ

豪雪地帯の人が聞いたら怒るかもしれないが、雪が降ると嬉しい。朝、目が醒めて空から途切れることなく落ちてくる白いふわふわしたものに、現実の世界を覆い隠し夢の中にいざなわれるかのように気持ちが吸い込まれていく。なんてきれいなのかしら。今年は風邪が長引き、火傷をしたりいろいろ不調だったので大好きなスキーもお預けだった。今日雪をみたら少し元気になって、外を歩きたくなった。今朝は遠いところからレッスンを受けに来る人がこの雪でキャンセルになった。時間が空いたので外に出てみると、雪はどんどん激しくなってきた。ふと思ったのは、雪道の運転をしたことがないということ。いつかは馴れておかなければならないと思っていたので、きょうは練習してみよう。恐る恐る車を発進させる。車を買った時タイヤを2種類つけてもらった。ノーマルとスタッドレスタイヤ。買って3年目、スタッドレスの必要はなかった。それでも福島の山越えをしていて雪がちらついてきたとき、スタッドレスを履いていたので非常に安心していられた。結局雪はすぐやんで無事目的地に到着。必要はなくても冬になると必ずノーマルタイヤは物置に押し込められる。また4月になるとスタドッレスはおやすみなさい。聞くところによれば、あの寒いドイツではそんな面倒なことをする人はいないと言う。ドイツで仕事をしていた人たちは「だから冬はあちらこちらで滑っているのよ。私も畑に落ちたことがあるわ」などとのたまっていた。私はこう見えて(お目にかかったことのない方に申し上げると、いかにも丈夫で気が強そうにみえますが)意外と慎重かつ気弱なところがあって、雪道で制御不能となった車を御しきれないようなことになったらパニックとなるに違いない。そういう自分が信用できないので、雪が降ったらまずハンドルは握らないことにしていた。それなのにタイヤだけは代えるのがナンセンスだけど、この先急に地球が氷河期にならないとも限らない。なんでも体験しておくのがいちばん。隣駅にある東急デパートまで行ってみよう。駐車場がスロープでらせん状なので、カーブと坂道の練習ができるから。デパートにたどりついたら敵もさるもの、私の不心得な目的を察知したかのように駐車場は閉鎖されていた。仕方なく自宅に逆戻り。今日の雪は水分を含んで重たいので、タイヤが滑るというより、抵抗感があってむしろ発進しにくい。帰路は下り坂。対向車線に一台の軽トラックがいて、坂道が登れない。後ろのタイヤがロックされて、全くまわっていない。通過してしばらくしてバックミラーを覗いてみてもまだ発進できないでいた。後ろの車の人が押してあげればいいのに。こんなことで、このへんでは不慣れな雪道で渋滞や事故が起きる。雪のせいで野良猫たちもどこかでひっそりと巣篭りしているのか。景色も白と灰色で音もなく静かな一日。

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