2015年4月28日火曜日

映画 イミテーションゲーム

いつも私が覗いているブログで、見つけた記事。
大戦中の敵国ドイツの暗号「エニグマ」を解くために、苦戦する天才数学者。
今のコンピュータの元となる暗号を解読する器械を作り上げ、それをついに解き明かした事によって起こる、新たな苦悩と悲惨なその後の人生。

エニグマ解読の中心人物となった、数学者アラン・チューリングの名前は今回初めて知った。
それはイギリスが戦後50年に亘って、彼の業績を封印したためと言われる。

このブログを読んだ私は、次の日美容院の予約をキャンセル。
午前中英語のレッスンを受けた後「今日はイギリス映画を見に行くのよ」と先生に言うと、「英語で聞くの?」と言うから「ううん、字幕を読む」と言ったら「ふん」と言われた。
私の英語力はハリー・ポッターに限る。
あらかじめ筋が分かっていれば何とか読めるけど、聞く方はとてもとても。
それでも易しそうな箇所だけ目をつむって聞くと、時々分かる程度。

さて、この映画、俳優が凄い。名優です。
単なる性格描写だけではなく、内面の深い部分まで引き込まれる圧倒的な演技。
さりげない描写ながら、こちらの感情も同期して息もつけない。
映画の粗筋などは、申し訳ないけれど、こちらのブログ(4月26日)にお邪魔して読んで頂きたい。
画像もあります。丸投げ!
他人のふんどしで相撲とりますがお許しを。

私はあまり映画を見ないので、俳優の名前も知らないし、良い映画が上映されているのも知らないでいることが多いけれど、私のいままでの貧弱な鑑賞歴の作品中でも最上級の映画と言える。
暫く現実に戻れないほど深く感動した。
天才であるがために他人とは違う世界に生きる男性に、初めは違和感と反発を持った同僚達が、初めて彼を認めるシーンでは泣いた。
しかもそこで物語は終らず、イギリスを戦勝国に導いた功績も葬られ、婚約者も去り、同性愛者として罰を受ける索漠たる人生は想像を絶する痛ましさ。

室内一杯に設置された大きなコンピュータは、かつて私の兄から聞いた、巨大計算機の話しを思い出す。
その頃はまだ巨大計算機の数が少なく、時々東海村の原子力研究所に通っていたようだ。
まだパソコンはもちろん、コンピュータの知識も無かった頃に「部屋全部が計算機になっていて、データを作るのに何ヶ月もかかるんだよ」と聞かされた。
ふーん、すごい。
兄達は10才以上年下のワケも分からない末っ子の妹に、よくこんな話しをしてくれた。
それが今や、私でさえもパソコンを操り、こんなブログを毎日更新出来るようになるとは。

なぜこの映画を見たいと思ったかというと、かのブログの精緻な文章に惹かれたのもあるけれど、今年の12月にお馴染みのロンドンアンサンブルが来て、イギリスの作曲家エルガーの「エニグマ変奏曲」がプログラムに入っているから。
私も小田原公演だけ、一緒に演奏出来るらしい。
オーケストラの曲を、フルーティストのリチャードがアレンジして、小編成のアンサンブルで演奏するので、当然各自の負担が大きくなる。
エルガーの曲の「エニグマ(謎)」は二つあって、一つは各楽章が、それぞれ彼の知人・・例えば奥さんや友人などを表して居て、それはすでに解明されている。
もう一つはエルガー自身が表題として「エニグマ」と記してある、それが何の謎であるかは、謎だそうで・・・書いている私もよく分からない。

「エニグマ変奏曲」とドイツ軍の暗号「エニグマ」とは関係はないけれど、最近になって偶然二つの「エニグマ」に遭遇するのもなにかのご縁かもしれない。

























2 件のコメント:

  1. リンクいただき、ありがとうございます。
    あらら、美容院の予約キャンセルして行ってくださったんですか。
    私は、nekotama様の話をきいて、実は映画にもしかして「エニグマ変奏曲」が入っていたのかしらんと思っていたのですが、それはなかったんですね。 nekotama様のお兄様もコンピュータ関係だったのですか。 
    ところで、コンピュータのノーベル賞と言われる「チューリング賞」って今年からGoogleが単独スポンサーになって、賞金額が4倍、100万ドルになって、賞金額でもノーベル賞に並んだそうです。 没後でも偉業は認められるものと、ちょっと嬉しいです。

    返信削除
  2. 映画が終ってから彼の人生の痛ましさに涙しました。
    高みに登る者は孤独の罰を受ける・・・まさに天才の宿命ですね。
    うちの兄はコンピュータ関係ではなく、物理学専門なのに、いつの間にか数学やっているという変わり者。物理の計算にコンピュータが必要だったようです。
    どちらにしても猫にはちっとも分からん話しです。

    返信削除