2015年4月10日金曜日

試食

もう何回も書くけれど、松本でのコンサートがあまりにも楽しかったので、ずっと思い出を引きずっている私たち。
最近は皆暇になってきて、又よく会うようになった。
なぜか、私がレストランを決める係になった。

4月はどこにする?
お宅(私)の最寄り駅にしましょうよ。
それなら私の家でどう?
それは面倒だからお店にしましょう。
でもうちの駅周辺にはロクなお店無いよ。
安くて何でもあって面白いけれど、上等なものはないわよ。
いいのいいの、じゃ、そうしましょう。お店決めといて。

こんな会話の結果この次の松本組例会は、東急線の某駅に集合となった。
それからが大変、この駅は東急線の中でも最も庶民的なので、オシャレなものに出くわすのは皆無。
そのかわり何でも安いし、なんでもある。
時々出店みたいに来るのは、下着やさん。
紫色やピンクの腹巻きとか、いまどき滅多に着る人もいないババシャツとか、ここに来れば手に入る。
それで場所が決定してからは、うろうろとお店を探し回っている。

こうなってじっくりと我が愛する街を見ると、本当になんと雑駁な街なのかと惚れ惚れする。
悲しいくらい上等な物がない。
街に統一性がなくて、行き当たりばったり新しいお店が出来る。
すぐに潰れる。

少し前までは古くからやっているお店が多く、暖かい個人商店の良さがある街だった。
それがここ10年ほどでバタバタと新しい店が入ったけれど、都心にあればオシャレな店がここに来るとなんだかみすぼらしくなる。
それは周囲が落ち着きがなくて、雰囲気が今一つだから。
しかも商店街が踏み切りで分断されているので、買い物客が二つに分かれてしまう。
下北沢の様に本多劇場を中心として、面白いものやセンスのあるブティックなどがあれば良いけれど、ただただ、まとまりのない街造りが透けて見える。
いや、商店街は頑張っているけれど、センスが今一つ。

困った私は、これはと目星をつけた店のランチを試食している。
先日は中華の小皿料理。
量はたっぷり、出来上りも早い。
エビもプリプリ、よしよし、でも、味が凄く濃い!
後でお水が欲しくなるだろうな。
これはいけない。さて、困った。
あと5日あるけれど、店が決らない。

ここ数日は、真冬に逆戻りしたかのような寒い日。
いつも気になっていた駅の傍のイタリアンに行って、ランチを試食してみた。
1500円と2800円のコースがあるけれど、ランチに大枚はたけるほどお金持ちではないから、勿論安いほうにする。
天気も悪く人通りもないにしても、このガランとしたひと気のなさはどうして?
客は私1人。
しゃれた外観と店内の雰囲気も良い。
暗い顔したウエイターが料理を運んでくる。

初めは白インゲンのスープ。
ものすごく量が少ない。
それにしょっぱい。
それでもパンが素敵に美味しく、そのパンと併せて食べると、ふーむ、いける。
次はカボチャのソテー、すずきのマリネ、レタス、自家製牛肉のパテ、どれも味付けが濃い。
私の味覚が薄味になれているからかな。
あまりにも少量で大丈夫かと思ったけれど、最後の牛肉の煮込みのパスタがえらく美味しい。
それで気がついたのは、これはワインと合わせたらけっこう丁度良い味付けかなと。
それでワインを頼もうかと思ったけれど、地元で昼間から酔っぱらって歩いたら、ますます評判が悪くなる。
これ以上世間様に顔向け出来なくなるのはまずい。
それぞれの量は少なかったけれど、終るとちょうど良い具合のお腹になった。

少し値段がはるけれど、ここで決まりかな。
予約を入れる話しをしたら、さっきまで陰鬱な顔だったスタッフの顔がいきなり光輝いた。
よほど嬉しかったと見える。
と言うことは、この店大丈夫なのかなあ。
最寄り駅でこんなしゃれた店は、長続きしたためしがない。
やっと良いお店が出来たと思うと、すぐ撤退してしまう。
隣の駅は住みたい街ランキングの上位にあるのに、ここはこの沿線の底辺なのだ。






























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