今日から練習に入ったのがフォーレ「ソナタ」
作品番号が13番と若いから、初期の作品ということになるのだろうか。
それにしては完成度が高い。
大胆かつ繊細な和音。
絶えず転調して、流れが決して停滞しない。
鼻歌を歌っているようでありながら、構成がガッチリしている。
楽章毎のリズムやテンポの変化の面白さがあって、私の最も好む曲でもある。
しかし難しい。
何が一番難しいかというと、転調のめまぐるしい変化。
ヴァイオリンは調によって、音程の取り方が僅かに違う。
このように転調を繰り返されると、気を付けていないと音痴になる。
音程が悪いとあの絶妙な響きが出ない。
オクターブが多い。
ヴァイオリンの音の取り方は、音程が上に行くに従って、指の幅が狭くなると言う厄介な現象が起きる。
例えば第一ポジションでとるオクターブ(人差し指と小指でとる)と第3ポジションでとるオクターブでは、第1の時は幅が広く、第3の時は狭くなっていく。
第7,第8ポジションになると、指の幅は更に狭くなる。
その辺になると、人差し指と小指では広がりすぎるので、人差し指と薬指でとるくらい幅がせまくなる。
降りていく時は、幅を段々微妙に広くしなければならない。
オクターブが合わないことほどみっともないことはないから、調弦にも神経質になる。
音色の問題は最も厄介で、冒頭部分のピアノでわき上がるように始まる旋律、それを受けてヴァイオリンが郷愁を感じさせる美しい旋律で、次の展開に流れ込む。
そこの音色のデリケートさが、一番むずかしい。
弓の圧力、使う場所、弓のスピード、どのようにバランスを取るか、何回も試してみる。
フレーズの長さも気になるところ。
ラヴェルの「トリオ」で名ピアニスト、ピュイグ・ロジェさんのレッスンを受けたことがある。
その時の、彼女のフレーズの長さに驚嘆した。
長いフレーズを保たせるのは、日本人とはやはり違うと思った。
こういうものなのか。
目から鱗だった。
なぜか、今年はフォーレの年になりそうだ。
八ヶ岳音楽祭のフォーレ「レクイエム」がすごく楽しみ。
それではフォーレのピアノ四重奏も、お仲間に入れなくては。
この曲も私はとても好きで、もう一度弾きたい。
やれやれ、口では早くゆっくり休みたいなんて言っているけれど、すずめ百まで・・・いつになったら満足できるのかしら。
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