誰かに叱られる事はしょっちゅうで、そちらのお灸は嫌というほど据えられてきたけれど、本物のお灸は初めて。
いつもの中国整体院に行く。
この整体院が始まって以来、途中先生が中国に帰ってしまった時期を除いては、ずっと同じ先生だから、かれこれ15年ほどのお馴染み。
真面目に熱心に治療してくれる。
私の腰は大変問題がある。
普通腰はウエスト辺りで緩やかに湾曲していないといけないのに、真っ直ぐになってしまっている。
長年、楽器を弾く時に同じ姿勢をとっていたために、体がやや右に回っていて、固まってしまっている。
そのせいかもしれない。
先生はそれが、いたくお気に召さない。
なんとかして矯正しようと、満身の力を込めてぐいぐい押すので、先日はかえって腰が痛くなってしまった。
長い間に固まって年齢も高いから、今更どうしようもないと思うけれど、とにかく一生懸命なのだ。
元々すごく力が強く、去年ロンドンアンサンブルのチェリストのトーマスが彼の治療を受けたら、痛くて拷問のようだったと言って笑っていた。
でも、後はとてもスッキリしたらしい。
私の腰はついに耐えきれず悲鳴をあげたので、ここ数回は腰を押さないようにお願いした。
普段はほんとうに技術があって、しびれや痛みもその場でスッキリするのに、どうしたわけかその時は力の入れ具合が強すぎたらしい。
あんまり一生懸命仕事をするので、悪くて途中で断れなかったのも敗因だった。
そんなわけで今日整体院に行ったら、お灸にしようと言われた。
熱いから嫌だといったけれど、なぜか思い込むと急に耳が聞こえなくなるらしく、さっさと用意をされてしまった。
うつぶせになった背中の辺りでゴソゴソやっていたかと思うと、何かが腰に載せられて暖かい。
私は恐怖で固まっているから、熱い熱いと騒ぐ。
何事も大袈裟に騒いでおかないと、どんどんエスカレートしかねない。
肩や足をもみほぐしている間、ほかほか暖かい。
それでも怖さが先に立って、刺激が強く感じられる。
ほんとうのところは、行火くらいの熱さなのだけれど。
ぬるくなってくると新しく火をつけているから、熱いと言って騒いでも、耳が聞こえないフリをされる。
都合の悪いことは聞こえなくなるらしい。
終ってみればそんなに熱くもなく、3時間経った今でも腰がホカホカしている。
今日お風呂は短めにと言われた。
元々烏の行水だから、今日は足湯にしておこう。
私たちの体はスポーツ選手ほどではなくても、普通の人達と比べるとかなり酷使している。
それでも今まで現役でいられるのは、こうして治療してもらったお陰なので、後数年だとは思うけれどがんばります。
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