2018年7月16日月曜日

北軽井沢ミュージックフェスティヴァル

フェスティヴァルの最終日の9月9日に出演決定。
去年は8月半ば。
長雨が続いて森は湿り気を帯び、当日はようやく薄日がさす状態だったけれども、どうにも始末に負えない悪コンディション。
私の演奏履歴の中の最悪の条件だった。

エアコンのない会場はシャッターを開け放つと外と同じ。
野外コンサートみたいなものだった。
ヴァイオリンなどの弦楽器はカラッとしたヨーロッパ生まれのヨーロッパ育ち。
響きの良い教会やコンサート会場などで演奏すると、小さな楽器が周りに共鳴してあの素敵な音色になる。
それで無駄に力まないで済むのだけれど、湿度の多い会場は弦楽器泣かせ。
去年のフェスティヴァルでは、私の楽器は拗ねてご機嫌斜めだったから苦労した。

ヴァイオリンの弦は羊の腸を金や銀の細い糸で巻いてある。
そして弓のこする部分の毛は馬の尻尾。
髪の毛などもそうだけど、湿度が高いと始末に負えなくなる。
弦は伸びて調弦があわなくなり、弓の毛が伸びると弓の張りがなくなって弾力が落ちる。
こんな気難しい楽器をなだめすかして毎日過ごしているから、多少気難しい人に出会ってもどうということはない。
楽器のほうが正直だから、あっという間に環境に左右されてしまう。
せっかく新しい弦を張り替えたのに、北軽井沢から自宅に戻ったとたんに切れた。
弦は高価で1本切れると本当にがっかりする。
ああ、これで明日からは当分卵かけご飯だけかあ、なんて。

今年はお盆が過ぎたころの初秋が良いと「雪雀連(SJR)」会長がいうので、秋の初めにというタイトルでプログラムを組んでみた。
と言っても秋にちなんだ曲は、最初のヴィヴァルディの四季より「秋」のみ。
ここでこじつけておけば後は何でもありというわけで、次のようなプログラムとなった。
      
       SJRアンサンブルコンサート~秋の初めに~

  第1部 古典音楽の楽しみ
      ヴィヴァルディ:四季より「秋」
      テレマン:2つのヴァイオリンのソナタより1,2楽章
      バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番
  
  第2部 音楽の玉手箱
      ピアノ小品3曲 
      ドビュッシー:アラベスクなど
      ロッシーニ:ヴィオラとコントラバスの2重奏曲他
      最後は楽しい曲を全員で華やかに

2部のほうは秘密の玉手箱。
なにが出るかお楽しみというわけ。

今日は第2回目の練習で、猛暑の中我が家に大きなコントラバスや、チェンバロの代用品のキーボードなどが運び込まれた。
なんと言っても手強いのはバッハ。
ブランデンブルク協奏曲第6番は本来はソロヴィオラ2台の編成、今回はヴィオラは1人しかいないので、ヴァイオリン2台用に書き直した楽譜を使用。
ヴィオラは通奏低音にまわる。
バッハの音楽は緻密に組み合わさっているから、誰かがコケるとバラバラになる。
1度落ちると這い上がるのに苦労する。
念入りに練習。

私達のメンバーはヴァイオリン2人、ヴィオラ1人、コントラバス1人、ピアノ1人。
海外ではウイーンフィルの人たちのグループが、この編成で活動しているらしい。
この編成は正規の四重奏の編成ではないので、コントラバスがチェロの役目をする。
大きなコントラバスでチェロのパートを演奏するのは大変な技術だと思うけれど、我らがコンバス女史は平然ととやってのける頼もしい人なのだ。

私がゲーリー・カーなど知らなかった頃、N響の定期演奏会で生まれて初めて生でコントラバスのソロを聴いたのがマーラーの「巨人」
巨人のお葬式の部分が、コントラバス奏者のソロから始まる。
巨人が死んで悲しみにくれる村人や動物たち、でも人がたくさん集まってきてだんだん楽しくなってきて調子っ外れの音楽や踊りが始まってという面白い描写。
その悲しみの部分がコントラバスで演奏される。
マーラーの天才ぶりが顕著になる部分。
こんなに繊細な美しい音が出る楽器だとは思っていなかったので、えらく感動した。
その同じコンサートで、ホルンのトゥッティーでセクション全員一斉に立ち上がってのスタンドプレー。
これもド派手で肝っ玉を抜かれた。
「巨人」は私の大のお気に入りで、中学校から帰るとまずモーツァルト「シンフォニー40番」それからマーラーの「シンフォニー1番」又は「亡き子を偲ぶ歌」それからその時の気分でメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」かチャイコフスキー「悲愴交響曲」などのレコードを聴きまくっていた。
教科書は学校から一切持ち帰らなかったから、いくらでも時間はあった。
両親は学校の勉強をするようにとは全く言わなかった。

話がそれた。
チェロがいない分、コントラバスは大忙し。
なぜチェロ奏者がいないのかというと、全員スキーの仲間「雪雀連」のメンバーで、その中にチェロ弾きがいないのでこうなった。

私の痛恨のミスはチラシのタイトル。
北軽井沢ニュージックフェスティヴァルとなっているのに刷り上がってから気がついた。
今、二の字にもう一本横線を加える苦労をしている。
なにをやっても必ずヘマ。
これからプログラムを作成しなければいけない。
これがまた大仕事なのだ。
誤字や年代の間違いや、人の名前の取り違えなどでた~いへん。
以前聞いたはなし。
リサイタルがリサイルになっていたそうで、これは悲惨。
コンサートは資源ごみか!








  
         
   















0 件のコメント:

コメントを投稿