2018年7月31日火曜日

個展

昨日見に行くはずだった高木さんの個展、体調が悪くて行かれなかったので今日、覗きにいった。
日中1番温度の高い2時ころなので、容赦なく照りつける太陽にクラクラ。
それでも昨日よりは体調が良い。

銀座三越と松屋近くの画廊で、木村屋も近くだから手土産はアンパン。
帰宅してから自分の分を買い忘れたことに気がついた。
う~、残念。
キムラヤのアンパン食べたいよ~!

アンパンはさておいて、素敵な作品が並んでいた。
特にマーブリングという手法の作品はとても綺麗。
水に糊を混ぜ、其の上に絵の具を落とし、出てくる模様を紙に写し取るというやり方らしい。
私は絵画にはとんと造詣が深くないから、ふーん、と感心して聞いていた。
自然にできる模様かと思いきや、これほどキリッとした模様になるのは本人のテクニックの為せる技でしょう。
すごいなあ、色の感覚も洗練されていて一枚ほしかったけれど、私は今貧乏なので買えないかもしれない。
楽器を背負っていったので、なにか?と高木さんに訊かれたから「売り歩いているの」と言うと冗談だと思ったみたい。

貧乏なので本当に楽器を売りに行った。
まあ、それは半分冗談半分本当。
以前から持っていてほとんど弾いたことのない楽器。
数十年前に近所の人から頂いた。
その時点でニスが溶けて、それをサンドペーパーかなにかでこすったような悲惨な有様。
弾くとキーキーと金属音。
はて?ヴァイオリンの材料は木ではなかったかしら。

動物がホームレスになってさまよって、怪我や病気になってお腹をすかせて・・・みたいな感じで。
それでもしっかりした造りで、ドイツの製作者の名前が書いてあるから期待して鑑定してもらったら、ドイツの量産品で、それはもう安い安い。
それでは売る程のこともなく、家で飼ってあげよう。
いや、楽器だから時々弾いてあげよう。
お金持ち計画第1弾は大失敗。
わざわざ暑いところありがとうございましたと、社員打ち揃ってエレベーターまで見送られて、尻尾を巻いて帰ってきた。

実は私の今演奏している楽器の写真のコピーを持っていったら「これはうちから出た楽器ですね」と鑑定士に大喜びされた。
こんなところで古巣がわかって、めでたい!
今日は持っていかなかったから「ぜひ持ってきて見せてください」と言われた。
この写真はある図鑑に載っている。
見せてくださいと言われても、綺麗にしてから持っていかないと叱られそうで。

最近亡くなった佐藤弦楽器の佐藤さんから「この楽器は良い楽器ですから大切にしてください」と言われたのに、先日も他の楽器やさんに調整してもらったら「ちょっと綺麗にしてもいいですか?」と訊かれるくらい。
故鳩山寛さんが「まったく女ってやつは自分の顔ばっかりきれいにして」なんて言うのを聞いたことがあって、私は自分の顔も綺麗にしないけどなんてお腹の中でつぶやいたこともあった。

汚くしているのは家も・・・なんて自慢気に言うことではないけれど。
台所のシンクから水漏れしたので、明日交換の工事をする。
シンクやガス台を片付けて収納庫の中身を取り出してと、大童。
思いがけないものが出てくる。
わけのわからないものや、忘れていて使っていないものがゾロゾロ。
一番嬉しかったのはウイーンで買った、モーツァルトのリキュール。
それとレミー・マルタンの瓶。
時々深夜に、ちょっとお酒が飲みたくなることがある。
日本酒でもビールでもウイスキーでもなく、そういうときにはブランデー。
ブランデーの安物は美味しくないから、やはりレミー・マルタン級のものが飲みたい。
でも最近は貧乏で買えない。
そこで隠匿物資からブランデーが見つかったのは非常にラッキーなのだ。
うふふ、これは良いものが見つかった。

お金持ちだったらレミーごときで欣喜雀躍はしない。
貧乏だからこその幸せ。
私は本当に安上がりな人間なのだ。

以前レミー・マルタンどころか、聞いたこともないような超高級なブランデーを頂いたことがあった。
競走馬を何頭か持っているようなお金持ちさんからで、柄に馬の顔のついた銀のスプーンやお皿なども頂いた。
その高級ブランデーはまだ開けていない。
そんなものを飲んだら口が曲がってしまいそうで、人生のここ一番というときに飲みたい。
けれど、そんな時期が巡ってくるかどうかわからない。
待っているうちに終わってしまうかもしれない。
それはそれで平穏無事ということで、中々良い人生だったと振り返ることもできるかもしれない。


















2 件のコメント:

  1. nekotama様は、いつも芸術家のお友達や音楽に囲まれていて、心豊かな生活で羨ましいくらい。ちっとも貧乏っぽくないですよ。 
    周りにいるニャンコがエサいっぱいで幸せなら、いいじゃないですか。  

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  2. 貧乏っぽくないのは脳天気だからです。
    それとオーケストラ時代からの超貧乏に慣れているせいでもあります。
    貧乏は嫌いじゃない・・・いや好きなわけないけど、面白いです。

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